社団ペットフード協会の調査「ペットを飼育できる様なサービス向上がない。」

【社会・コラム】 ペットフードの事業者を中心とした九十九社で組織する「ペットフード協会(会長:石山恒)」は、平成二十七年に全国犬猫飼育実態調査を行なった。調査の結果 、犬・猫の推計飼育頭数の全国合計は、千九百七十九万一千頭 (犬;九百九十一万七千頭、猫;九百八十七万四千頭)であった。


ペットと共に暮らす事は、人間にとって情緒面やコミュニケーション、健康等の様々な効用がある。例えば、十六歳未満の子どもの場合では 「心豊かに育っている。 」「生命の大切さをより理解する様にになった。」「家族とのコミュ二ケーションが豊かになった。」と道徳教育に貢献。そして高齢者の場合でも 「情緒が安定する様になった。」「寂しがる事が少なくなった。」「ストレスを抱えない様になった。」とシニア生活に光を差し込む。




<求められる飼育者のレベルアップ>

 五千五百万の日本全体の世帯の内、犬は全体の十四㌫以上である八百世帯、猫は十㌫の五百六十世帯が飼育している。しかし、二十七年及び二十六年の飼育意向率と今後の飼育意向では、猫は増加となったが犬は減少。この要因には、飼育意向のある人が犬を飼育できる様な環境の整備やサービスの向上が無い点が挙げられる。


一番に多くの理由として挙げられたのは、「集合住宅に住んでいて禁止されている。」という点だ。都内では商業施設や飲食店等は勿論、公園等でも「ペット連れ込み禁止」となっている所が多く、充分なサービスが受けられない(周辺の飼育環境が悪い)という点も原因の一つになるだろう。更に現在、ペットを飼育している人達は「ノーリードで遊べるドッグラン等のペットとの遊び場が少ない。」「以前の様に気軽に交通機関が使用できない。」等の声があり、今の日本でのペット飼育者へのサービスはかなり低いと考える。


だが海外に目を向けると、ペットと一緒に商業施設や飲食店、交通機関に気兼ねなく利用できる国もある。日本だけ出来ない、という事は無いのだ。 無論、飼育者によるマナーは大前提。散歩をする際の糞尿の後始末や、対人・対ペットに対しての躾け等と様々だ。その様な行為をする飼育者がいる限り、ペットに対しての世間の目は冷ややかだろう。飼育者が責任を持ち管理をし、世間から認められるような飼育者となる事自体が今後の環境整備、サービスの向上、そして動物に優しい国づくりに繋がると考える。


記事:原田眞吾

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