較差拡大が鮮明に、判明される較差の理由『国民生活に関する世論調査』

【社会・人生考察】 内閣府(総理:安倍晋三)は平成二十八年八月二十七日に、本年度の『国民生活に関する世論調査』を公表した。調査目的は、現在の生活や今後の生活の意識や家族・家庭の意識等、国民生活に関する意識や要望を種々の観点で捉えて、広く行政一般の基礎資料とする事だ。


標本数は一万人で有効回収数は六千二百五十四人と六割。抽出方法は「層化二段無作為抽出法」。調査期間は、平成二十六年六月十九日から七月六日。調査実施期間は、新情報センター(会長:安藤昌弘)。回収数で二十代は四百三十六、三十代は八百二十七、四十代は千百二十八、五十代は一千七十三。六十代が一千四百二十九、七十代が一千三百六十一。二十代とシニア世代には一千近くの回収差がある。



富める者は生活の低下が極端に低い

 現在の生活における、昨年の生活と比較した向上感について視る。左項は生活程度、右項が「向上」「同じ」「低下」の順。単位はパーセント。


  • 上;二十五.六、七十.五、三.八
  • 中の上;十二.一、八十一、六.九
  • 中の中;五.七、七十九.四、十四.七
  • 中の下;三.一、五十九.二、三十七.五
  • 下;四.二、四十三.四、五十一.七



中の下と下はより悪化と判断

 次に今後の生活の見通しを視る。左項は先に同じ、右項は「良くなっていく」「同じ様なもの」「悪くなっていく」「分からない」。単位同じ。


  1. 上;三十.八、五十五.一、十.三、三.八
  2. 中の上;十四.九、七十二.二、十二.五、〇.四
  3. 中の中;八.四、六十八.五、二十一.六、一.五
  4. 中の下;六.三、五十、四十二.四、一.三
  5. 下;六.六、三十六.五、五十四.二、二.八



現役世代よりシニア世代重視

 最後に複数回答の政府への要望について、首位は「医療・年金等の社会保障の整備」の六十八.六、二位「景気対策」の五十八.七、三位「高齢社会対策」の五十四.九、四位「雇用・労働問題への対応」の四十二.五(単位はパーセント)。「少子化対策」は三十七.五、「税制改革」は三十一.三、「教育の振興・青少年の育成」は二十七、「中小企業対策」が十六.六、「男女共同参画社会の推進」と「市民活動の促進」が九.五となった。


=解説=

 GDP六百兆円に向けて邁進する安倍政権。その果実を得た者は、高所得者・富裕層であった、と新たな証拠となった。マタイの法則「富める者は益々富み、貧しき者は益々貧しくなる」が凡そ当てはまる。異なる点は二点。昨年との生活を比べた際に下の者が中の下の者よりも「向上」した割合が一㌫超多い点、今後の生活見込みで下が中の下よりほんの僅かに「良くなる」となった点だ。


他の調査項目でも収入増を求める者は多かった。だが、政府への要望では教育関連と現役世代関連の要望は社会保障に大きく劣る。グローバル競争下及びIT発達下において、収入を増やす方法は新たな知識を学び、新たな職域を拡げるしかない。挑戦しかない。それにも関わらず、圧倒的多数の者が保障や自由時間を求めている。これではアベコベである。他の調査項目の自己啓発は優れた結果だが、自己採点である嫌いがある。社会が求めるレベルに達してない恐れが高い。


結局、上の者は努力が圧倒的だ

 各生活程度の線引きは中の上以上、中の中、中の下以下の三線。努力なしに上には成れない。上で居続ける事も適わない。ならば、この三線は努力の度合い(質・量・方向性)であろう。逆説的にみれば、甘え(我が儘)の度合いであろう。努力せずに甘え(我が儘)が多くて、所得が上がるだろうか。


日本は資本主義で法治国家である。極端な話であれば、例えどんなに貧しく、環境が悪くとも自身の努力次第で上に成れる。所得較差は、情報較差でもある。そして努力較差でもあるのではないだろうか。自社の商品・サービスの価値はユーザが決める。自身の価値も他人が決める。決して、自分自身ではない。甘え(我が儘)が増えれば増える程に、較差は拡がっていくだろう。



画像引用: 国民生活に関する世論調査/内閣府

記者:羽田野正法


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