八十歳の房子ママ、若者・若手が集い始めるカラオケスナック 「東陽町ファジィ」

【社会報道】 令和五年五月三十日に東京・東陽町にあるカラオケスナック『ファジィ』にて取材敢行。


応じてくれたのは、昭和十八年生まれの房子ママ(癸未)、八十歳。足を怪我しているにも関わらず、快く取材に応じてくれた。



<七十歳で挑戦>

 店舗は平成三年より。房子ママが十年前より前マスタから譲り受けた。元々はお店に飲みに来ていたママは、前マスタに「やってくれないか?」と言われ、店舗経営に七十歳で挑戦。前職は、印刷業の事務。経理はできるものの、飲食店経験が一切無かった。


「日本橋の菊村さんにお手伝いに行きました。お給料出ないで勉強だけ。」と修行に行った。


最近の客層について尋ねると、「若い方が多いですよ。」と笑みを浮かべた。「会社員の方が多い。三十、四十、五十代が多いですね。団体で来てくれると嬉しい。」との事。二十代も歓迎だと言う。


房子ママも歌が好きで、空き時間には練習している。練習している曲は「尾崎豊のI LOVE YOUや高橋真理子のごめんねを練習してますよ。」と教えてくれた。



コロナ禍の影響

 今回のコロナ禍で実際にあった影響を問うと、「とても大変。」と苦労が滲み出ていた。緊急事態宣言や蔓延防止の際は店舗を休み、アクリル板や空気清浄機の導入、アルコール消毒液等の用意で費用が嵩んだ。


「安倍政権、菅政権では給付金や補助金が出てたでしょ?岸田政権になってから何もないから大変です。一番大変なのは、税金の支払い。今、年金を充ててます。」と、補助金や給付金で上がった所得に対し、掛かる税金がコロナ前に比べ、約一割ずつ上がったという。


補助金・給付金支給の際、その後の税金が増える旨については何も通知が無かった。房子ママのみならず、知り合いの個人事業主の形態で営業を行う店舗も「みんな大変、苦しい。」と零す。



物価上昇も直撃

 また、コロナ禍と物価上昇の影響でセット料金を五百円上げた所、「最初はお客さん、全然来なくて。夜の十時半までに誰も来なかったら、その日は(売上)ゼロ。お店閉めちゃう。」と、現在でもシビアな経営の一面も。


実際に営業時間中に店舗へ訪れると、カラオケが流れ続け、盛り上がっている時とカウンタで静かに酒を嗜む客が居る時と両方あった。


団体で盛り上がるも良し、一人で房子ママとお話しながらしっぽりとお酒を嗜むも良し。人の歌を聞きながら飲むのが好き、一人でもお酒飲みながらカラオケしたいなという時、グループでカラオケで盛り上がりたい時、それぞれに適していると思われる。何時でも聞き上手な房子ママが温かく迎え入れてくれるだろう。


  • 定休:月
  • 営業時間:十八~二十四時
  • 喫煙:席で可
  • 料金:歌い放題・飲み放題で四千円

撮影記事:岡本早百合

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