【政治考察】 改憲準備が問われた『参院選二〇一六』で改憲四党(自民・公明・維新・こころ)は、参議院の議席の内で三分の二を獲得し、衆参両院で改憲を可決させる力をもった。改憲の発議には、三分の二が必要ではない。ただ、自民は参議院で過半数の議席を獲得できなかった。ハイムのユーザは都市部が多い。都市部では、自公圧勝ではなかった。
ハイムの主要ユーザは、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)と近畿圏(大阪・兵庫・京都)、愛知、北海道、福岡、宮城。日本の全人口である一億三千万人中で、七千三百万人と実に六割近くが主要都市のある都道府県に住んでいる。そこで、「都市部」と称し投票結果の分析をする。
<全国区では民進は二割程度だが>
まず投票率は五十五㌫と、およそ二人に一人が投票した。全体をおさえる為に比例代表(全国区)を俯瞰する。与党の自民は二千十万票(三十六㌫)、公明は七百六十万票(十四㌫)。野党の民進が一千百八十万票(二十一㌫)、共産が六百万票(十一㌫)、維新が五百二十万票(九㌫)となった。今回は国会のメイン プレイヤ五党に絞る。
次に「都市部」の選挙区。自民は一千三十万票(三十五㌫)、公明は四百三十万票(十四㌫)。民進が八百六十万票(二十九㌫)、共産が三百六十万票(十二㌫)、維新が二百九十万票(十㌫)となった。全国区と比べ「都市部」では、民進が伸びている。
どこで野党が強いのか
細かく視ていく。全国区と比べ、数値的に意義がある地域を挙げる。首都圏は民進が二十九㌫と伸びが高い。東京と千葉は民進が三十二㌫となっている。但し、千葉の自民は五十四㌫と突出。埼玉の公明は二十二㌫、共産が十七㌫まで上げている。
近畿圏では、自民と民進が十㌫以上下がり、維新が二十七㌫となった。特に大阪では三十八㌫と完全に与党だ。兵庫の公明は二十三㌫と伸ばす。京都の自民は四十一㌫で、民進が三十八㌫、共産が二十一㌫と上げた。
愛知・北海道・宮城の民進が三十八・四十三・五十二㌫と伸びた。自民も北海道・宮城でそれぞれ四十七・四十八㌫と伸びたが、公明が出馬してない地域だ。その代わり、福岡の公明は二十三㌫となった。
<もう、一割程度の差に>
以上より「都市部」においては、一党多弱ではない。自民から民進を引いた差は、百七十万票で「都市部」全体の一割程度の差でしかない。東京・愛知・福岡・宮城では、民進が自民より票を獲得した。しかし全国では、その差が八百九十万票と三割の差となっている。第三極・維新の活躍も目覚ましい。全国の選挙区に擁立してないにも関わらず、投票者の一割を獲得している。
ここまでで「都市部」と「非都市部」で、大きな差がある事に気づいたユーザもいるだろう。新たな議席数(参議院)は自民・公明で百四十三、民進・共産が六十二、維新が十二、その他が二十一。随分と獲得した議席数に差がある。これは参院選が小選挙区と中選挙区の制度を採用しているからだ。記事『メディアが報じない参院選挙制度の「隠れた欠陥」〜自民党「圧倒的有利」には理由があった/講談社』の通り、政治学者・菅原琢が、制度改正を訴えている。「都市部」の有権者の意見より「非都市部」の意見が優先されてしまうシステムを。
「都市部」軽視を止めたら
しかし、ハイムが指す「都市部」には六割の有権者がいる。有権者は景気・雇用の政策を重視した。この景気・雇用は「都市部」でリードするのでは、ないだろうか。「都市部」の有権者を軽視しているので、日本経済の景気・雇用が良くならないのではないだろうか。「都市部」の有権者の意見を国に反映できれば、景気・雇用が良くなるのでは。この様な考察は過ちだろうか。
一先ず、一党多弱は「都市部」において終わった。後は民進が政権奪還に向け新体制となるか、維新が「おおさか」の名称を捨て全国展開を図るか。
(了)
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