小池新都知事の序章は大勝、第二章は都議選、第三章から全開になるか

【社会論説】 日本の首都東京の長に、初の女性都知事が誕生した。都になってから丁度、二十番目の都知事が兵庫・芦屋出身の小池百合子だ。五輪の直前まで一期を務める事になる。しかし前二人は、任期途中で辞職となった。男社会の東京都を男女同権のTOKYOに変える事ができるか、否か。都下の男社会の象徴でもある“都議会のドン”、内田茂。二百九十一万の都民は、内田執政を否定した。小池新都知事が掲げるTOKYOへの変革には、内田執政を乗り越える必要がある。


投開票日の前日、平成二十八年七月三十日に記事「私、小池百合子が都知事選を戦った本当の理由/プレジデント社」が配信された。


そもそも日本は、男性中心に動くようにデザインされていて、意思決定の場に女性はわずかしかいない。どんなに能力があっても、女性はその入口さえ閉ざされがちで、「ガラスの天井」があるのです



小池は、日本社会の構造(デザイン)を理解している。そして「ガラスの天井」を打ち破った先に、停滞している状況を打破できる未来を信じている。記事『【悲報】日本人がもはや完全に疲れている件 「給与が下がっても勤務時間を短くしたい」で世界1位/グローバルウェイ』では、給料が下がってでも仕事から解放されたい、という願望が強い事が分かった。電車でスマホを必死に眺める眼に精気が感じられない。何故、こんなにも疲れているのか。




<女性のセンスが生産性を上げる>

 それは男社会的な力技を現代でも行い、労働力が搾取している者がいるからだ。女性は臨機応変能力が男性より総じて高い。形式に拘り過ぎない。この感性が疲弊する働き手を救う。小池は環境大臣時代にクールビズを提唱し、「ネクタイを外しても良い」「Yシャツの第一ボタンを外しても良い」を広め、夏の寒すぎた空調を抑える事に貢献した。結果、男女共に生産性は上がるであろう。


「ガラスの天井」の先には、生産性の向上がある。実現すれば、疲弊した男女に精気が戻るだろう。活き活きとした日々に戻す為には、援軍が必要だ。今回の選挙では、組織力のない小池はSNSを活用し大勝した。参謀には都議の音喜多俊がいた。国内で屈指のアクセス数を有す議員ブロガだ。無論、SNSだけで大勝した訳ではないが、大火を起こすには充分な火力をSNSは誇った。現場では衆議の若狭勝が自民破門を覚悟して連日、闘った。



孤軍奮闘では勝てない

 こういった援軍が女史・小池には必要だ。記事「日本から野党消える…小池新党&橋下維新に連携シナリオ/講談社」や動画記事『都知事選、結果次第で「新党」など中央政界に影響も/TBS』では、都議会における小池新党に言及している。全百二十七議席の内、自民都連は五十六議席と四割弱。東京公明は二十三議席なので、両会派で過半数。小池都知事は、彼らと対面しなければならない。当選翌日の記者会見では、都議会とは“協力”と和平を持ち出した。


いきなりはブラックボックスと揶揄された自民都連と闘わない。現在は、音喜多を含む「かがやけTOKYO」の三名の都議のみが援軍だ。五十六対四では、歯が立たない。狙うは、十ヶ月後の『都議選二〇一七』。六月に予定されている。当然に内田サイドも危険性を理解しているだろう。ともすれば、準備が整う前に不信任決議案を都議会が提出するかもしれない。その後は、小池の出馬表明時の都議会解散で都議選となるか。又は、政治とカネの問題等を洗い出し、報道サイドへリークするか。




副都知事は援軍かスパイか

 都知事には、思っている程の権限はない。何かやる際には、都議会の承認が絶対的に必要だ。米国の大統領とは、この点が異なる。よって小池は、現状で都議会と融和する必要がある。さもなくば、都政が停滞するだろう。最初の壁が副都知事だ。副都知事も都議会の同意がいる。報道現在は、安藤立美と川澄俊文、中西充、山本隆の四名。この都知事を支える副都知事が肝となる。


序章は大勝した。第二章はXデイの都議選。ここで議会の過半数を抑えれば、第三章として東京はTOKYOに変貌を遂げ始める。黒箱・内田は、舛添の様に小池を懐柔するか、猪瀬の様に潰しに掛かるか。情報公開を重視する小池都知事を守るのは、都民である。




撮影:岡本早百合

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