【教育・金融コラム】 一万円札の紙幣や硬貨を集めていても、そんなに意味はない。
一般的なお金のことだ。
普通の人は、紙幣や硬貨をたくさん求めている。下手すれば、たくさん集めることだけに大切な人生を浪費し、翻弄され、縛られている。
そういった人生を自ら選んでいる。
お金と呼ばれる紙幣や硬貨は「あるに越したことはない」「多く持っているほうが良い」など、大きな勘違いを起こしている。紙幣や硬貨は物々交換する際の道具でしかない。紙幣や硬貨の量が多いということは、交換できる量が多いというだけ。質は別物だ。
大切なことは「量を多く持っていること」ではなく、お金そのものを「どの程度、生み出せるか」「何に使うか」。これに尽きる。
お金は“持つもの”ではなく、“生み出す”もの。
これを信用創造という。
日銀や銀行が行っている業務が正に、これだ。日本国経済の基である。
この国は世界百九十六ヵ国中、三番目の経済規模を誇る。純金融資産では世界一位。超富裕国。この国は一千兆円超の国債発行(≒増資、≠国民の借金)を重ね、信用創造を繰り返し、世界の超富裕国となっている。
『お金=信用』であり、紙幣や硬貨だけではない。
銀行の信用創造でわかる通り、お金の中でも信用が上位。下位が紙幣や硬貨。クレジットカードは信用に入る。
このことがわかっていれば、紙幣や硬貨だけを集めようとすることが如何に空しいか、わかる。貯金額がいくらあろうが、有益に使わなければ、ただの物でしかない。昔の貴族や上流階級は信用を創造し、下流階級は紙幣と硬貨を集める。
お金の安心は紙幣や硬貨、貯金をため込むことではない。何故ならば、使えば無くなるからだ。使えば安心が崩れてしまうだろう。とても不安定だ。使わないように、いろんなものを我慢していれば、精神衛生上も良くない。やりたいことも捨て置く。十年以上も続けていると守銭奴に成り下がり、性格もいびつになっていく。
お金の安心とは、信用を創造し続けること。
自身の名において、信用をもっていつでも借金ができる状態のこと。
これは、いつでも返済できる力(生産性)があることに他ならない。
紙幣や貨幣をため込む者は、生産性を上げる努力を怠っている。だから、いつでも借金できない。信用が無い。ため込んで、ひと時の安心を守るために一生懸命に生きている。
生産性さえ上がれば、返済能力さえ上がれば、借金できる金額も上がる。
そうやって少しずつ、少しずつ信用を醸成していく。
これが上位のお金、少しずつの信用創造。
お金を生み出せる者に成るか、否か。
人生百年時代では、雲泥(空の雲と地面の泥まみれ)の人生の差がある。
記事:羽田野正法
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