【社会・ビジネスニュース】 平成二十八年八月二十二日と二十三日にコンピュータ エンターテインメント協会(CESA、会長:岡村秀樹)は、神奈川・みなとみらいにて『第一回 プロから学ぶ!“はじめての”ゲーム開発インターンシップ』を開催した。対象は就職先としてコンピュータ エンターテインメント業界に興味をもつ学生で、全国から約三百名の応募があり、当日は抽選で選ばれた百名が参加した。
同インターンシップでは、初日にゲーム開発の際に最低限の仕組みを学び、二日目にゲームデザイン制作の演習を行った。未経験者も参加した。先立ってCESAは、学生やアマチュアゲーム開発者に向けた活動を強化する為に「人材育成部会」を設置。部会長はセガゲームス(代取:岡村秀樹、里見治紀)の松原健二 常務取締役、副部会長にDeNA(2432.T1)の馬場保仁が就いた。同インターンシップの目的は、ゲーム界の人材発掘と育成だ。
<一番支持された“ひっくり返す”ゲームは>
初日は、神奈川工科大学大学院の特任教授で慶応義塾大学大学院のリサーチャを務める中村隆之が講義「ゲームデザイン フレームワーク入門」を行った。入門テキストが十五頁、理論テキストが十七頁だった。入門では、現状においてゲームデザインの学習方法が殆どない点から始まり、「手段目的構造(EMS;Ends and Means Structure)」が大量のアイデア出し(ブレーンストーミング)や複雑化したゲームのシンプルな分析に適している点、フレームワーク分析がマーケティング(SWOT分析、4P分析、3C分析、AIDMA等)的である点、ゲーム内の制約や障害の重要性を説いた。
理論では「アクションに伴う快感」や三分程度のゲームプレイ時間、最初の三十秒の引き込み力等を学んだ。そして二日目のグループワークでは、四ないし五名を一チーム(大学は全てバラバラ)として全二十チームが五時間でゲームの企画・資料作成をした。テーマは、“ひっくり返す”ゲーム。各チームがホワイトボードを利用した「ポスターセッション(紙に起こした企画を張り付けてプレゼン)」に挑み、CESAの加盟企業に対し質疑応答。二時間掛けて投票に至った。
考え方の学びが大事
結果、チーム名「みそとんこつバリカタ」の学生五名(音大生を含む)が考えたゲーム「スタイリッシュ カツラ ハンティング」が優勝。加盟企業による投票が最多であった。同ゲームは、二分以内にハゲを暴くゲーム。背徳感をポイントに、ミッションをクリアしていく。ハゲを当てる事でKP(カツラポイント)が溜まり、カツラを弾き放題のボーナスが発生。またレアキャラ等がいる。他のチームは、スマホを振って封筒から書類を出し、フリックで該当書類を三十秒以内で見つける「フレフレ係長」やマンホールにおじさんが忍び、立てスクロールで歩いてくる女性にタイミング良くひっくり返しパンチラ写真を集めてイケメン化を進めていく「KAIKAN」等が多くの投票を得た。
クロージングで馬場副部会長は、「考え方を学んだって事が大事。」と知識を得るだけでなく思考の肝要を説いた。現況では、あまり理論化されていないものを学生の段階で知れた事は大きく意義があり、反復する事を学生らに薦めた。またプレゼンという人に伝える大切さを強調。「プレゼンするなら、するで人を惹きつける方法があると思うんですよ。自分達の面白さをどう、如何に伝えるか。何が本当に面白いのか。」と。最終選考のプレゼン中も馬場副部会長は厳しかった。三分間に制限し、時間を超過したチームにはしっかりと叱っていた。真摯に学生らを向き合っていた。
尚、CESAは二十四日から二十六日には横浜で日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC二〇一六」を、九月十五日から十八日には千葉で「東京ゲームショウ」を開催する。
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