【芸能ニュース】 平成二十八年十一月二日にTIFFにて、クロージング作品である映画『聖の青春/KADOKAWA』の舞台挨拶が行われ、主演を務めた松山ケンイチ(乙丑)、東出昌大(戊辰)と監督の森義隆(己未)が登壇した。本作は棋士・羽生善治を追い詰めた怪童・村山聖の、病と闘いながら全力で駆け抜けた、僅か二十九年の生涯という実話を完全映画化した。生命と引き替えに全てを目の前の一手に捧げた村山聖が蘇る。原作は、数多くのブックレビューで星五つで“感動の名作!”“勇気が湧いてくる”等、絶賛される大崎善生の渾身のデビュー作だ。
松山は映画祭を味わい「楽しかった事ばっかり。メリル・ストリープ(己丑)さん、そして安倍晋三(甲午)総理、、、あ、安倍マリオさんにお会いする事ができて光栄に思っている。」と冗談を交えながらも、映画祭でパワーと次に進む勇気も貰えると明かした。本作についても「日本の伝統をである将棋を粋な美しさで存分に描いているので、世界中の皆さんに味わって貰いたい。」とアピールした。
<AIにできない事>
東出は映画祭において、「将棋という日本の伝統的な文化を扱った作品が、クロージングに選ばれて大変光栄。」と喜びを表した。「将棋は動きが少ないので最初は大丈夫かと思ったが、人の心を映しているこの作品では、海外の方にも共感して貰えると思う。」とし、海外からの反応も期待。
本年は素晴らしい日本映画が多い、と感じた森監督は「(クロージング作品に選ばれて)非常に誇らしい。」と述べ、本作の制作について、「撮影するに当たって、格闘技やボクシングの映画を参考にした。闘志がぶつかる作品は文化を越えて、理解して貰えるのではないか。」と明かした。更に人工知能が発達したこの時代において「後、どの位でAIが人間を超えるかという時代に到達したが、一方で勝敗を決めるものは人と人がぶつかり合うある種の芸術性。それはAIには出来ない事。」と芸術は人の手が創り出すものとした。
舞台挨拶には公開を祝い、リオ五輪メダリストの吉田沙保里(壬戌)、三宅宏実(乙丑)と羽根田卓也(丁卯)が駆け付けた。三宅選手は「映画を観る時は、ハンカチが要ります!」と伝えて本作をアピールした。尚、本作は十一月十九日より丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他全国でロードショー開始している。
=あらすじ=
1994年、大阪。路上に倒れていたひとりの青年が、通りかかった男の手を借りて関西将棋会館の対局室に向かっていく。彼の名は村山聖[さとし](松山)。現在七段、“西の怪童”と呼ばれる新世代のプロ棋士。聖は幼少時より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患っており、無理のきかない自らの重い身体と闘いながら、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指して快進撃を続けてきた。
そんな聖の前に立ちはだかったのは、将棋界に旋風を巻き起こしていた同世代の天才棋士・羽生善治(東出昌大)。すでに新名人となっていた羽生との初めての対局で、聖は必死に食らいついたものの、結局負かされてしまう。
聖はさらに強く羽生を意識し、上京。ライバルでありながら憧れの想いも抱く。そして一層将棋に没頭し、並み居る上位の先輩棋士たちを下して、いよいよ羽生を射程圏内に収めるようになる。
そんな折、聖の身体に癌が見つかった。「このまま将棋を指し続けると死ぬ」と医者は忠告。しかし聖は聞き入れず、将棋を指し続けると決意。もう少しで名人への夢に手が届くところまで来ながら、彼の命の期限は刻一刻と迫っていた…。
=クレジット=
公開情報:11月19日より丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他全国公開
配給:KADOKAWA
©2016「聖の青春」製作委員会
撮影記者:原田眞吾
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