岸田 外務大臣が唱える「バランス外交」とポスト安倍|『東京会議』オープンフォーラム

【社会・政治ニュース】 平成二十九年三月四日に東京・表参道にて、言論NPO(代表:工藤泰志)は『「東京会議」オープンフォーラム』を開催した。特別講演として、岸田文雄(丁酉)外務大臣が登壇した。岸田大臣は、安倍晋三(甲午)総理大臣の次の候補と目されており、来年に控える「自民総裁選」に向けての活動が注視されている。


岸田大臣は講演で「今年は国際社会が変化の可能性を秘めた一年。」と警戒。不安定な世界情勢の中、羅針盤として国際秩序を支えてきた価値観である「民主主義」「自由貿易」「法の支配」を挙げ、この価値観の世界的な維持を強調した。また「安全保障と外交努力」「国益とグローバル課題」「目先と中長期(時間軸)」「世界全体と地域」の四類のバランスを示し、不透明な時代の均衡戦略を唱えた。


更に外交ポイントとして「日米安保」「TPP」「G7の重要性」を挙げた。特に「TPP」に関して岸田大臣は完全に諦めておらず、粘り強い交渉を引き続き行う模様。G7の外務大臣の中では最古参となる岸田大臣だからこそ、日本の国益に適う実現可能な政策を見い出せるだろう。




<静かなるエリート、じわり>

 岸田大臣を取り巻く情勢としては、『大宏池会構想』が年初に久し振りに浮上。自民の派閥の話しであるが、これは迚も重要なトピックだ。安倍総理は「細田派(九十七人)」出身で、自民の中では最大の派閥。『大宏池会』は「岸田派(四十五人)」、「麻生派(四十人)」と他派との掛持ち可の「谷垣団(十八人前後)」が一つに戻る事だ。実現すれば「細田派」に匹敵する。


党内の対抗となり得るのは「石破派(二十人)」の石破茂(丁酉)衆議、無派閥二人の小池百合子(壬辰)都知事と小泉進次郎(辛酉)衆議。岸田大臣は控え目であるが、その分、安定感がある。安倍政権が奏功している以上、掻き乱す様な真似はしない筈だ。然しながら大胆な米中露と渡り合うには、静かで強かなエリートも選択肢であろう。



尚、『東京会議』には先進民主主義国十ヶ国の有力シンクタンクから代表者が参加し世界の課題について意見を出し合い、日本国政府及びG7への提言をまとめて岸田大臣に工藤代表が手渡した。


『「東京会議」オープンフォーラム/特定非営利活動法人言論NPO』

記事:金剛正臣×撮影:岡本早百合


「東京会議」オープンフォーラム/特定非営利活動法人言論NPO

総理候補・岸田文雄 外務大臣が世界バランスを強調、TPP復活を目論む|東京会議/言論NPO § 

0コメント

  • 1000 / 1000