【社会・スポーツ ニュース】 日本経済新聞社(代取:岡田直敏)は「日経メッセ 街づくり・店づくり総合展」の五展示会を平成二十九年三月七日から、三特別企画を八日から十日の会期で東京・有明にて開催。『ヘルスケア&スポーツ街づくりEXPO二〇一七』の初日には、スポーツ庁/文科省の初代長官・鈴木大地(丁未)がセミナ「スポーツが担う新たな街づくり」と題し、スポーツ政策の今後の方向性と本年の具体的施策について説明した。
鈴木長官はソウル五輪で背泳ぎの金メダリスト。日本水泳連盟の会長を務め、報道現在でアジア水泳連盟の副会長に就任。本年七月には国際水泳連盟の理事に選出予定だ。セミナでは、国民医療費が四十兆円を突破している点について言及。年代別で「週一回以上のスポーツ実施率」において、二十代から四十代が三割程度である事実を懸念し、官民連携施策の推進として「ビジネス パーソン向けの国民運動」と「新たなスポーツ スタイル等の開発・普及」を挙げた。会場にて「週一回以上のスポーツ実施率」を鈴木長官は問い、八割近くの参加者が挙手をした。
<億単位の経済効果>
本年度予算としては、自治体を対象とした「運動・スポーツ習慣化促進事業(新規;八千万円)」や「スポーツ医・科学等を活用した健康増進プロジェクト(千六百万円)」を説明。スポーツ人口を増やし(週一以上の実施率を四割に)、スポーツ市場を拡大(十五兆円へ)し、スポーツ環境の充実(スタジアム・アリーナ改革やスポーツ コンテンツ ホルダの経営力強化等)という循環となる。スポーツで稼ぎ、その収益をスポーツに還元するシステムの実現を図る。年度内に「スタジアム・アリーナ改革ガイドブック(仮)」を発表予定だ。
スポーツの地域活性化についても話した。「大会・イベント開催」「大会誘致」「合宿・キャンプ誘致」「観戦集客」「スポーツ ツーリズム資源の開発」を挙げ、スポーツによる地域の経済効果と社会的効果をアピール。埼玉・ロードレース、北海道・ラグビー、沖縄・マラソン等を例示し、億単位の効果とブランディングを指し示した。国内の国際大会が五輪後も含めて、十二も予定している事を強調。五輪後も“スポーツ立国”として邁進する。
鈴木長官は締め括りに、スポーツと他分野との掛け合わせを主張し、ITや科学、芸術等とスポーツを掛け合わせたイベントを紹介した。公式QAではスポーツ実施率について、無関心層へのアプローチを問われた。「十三階のビルに階段で昇る。これが今の私のスポーツです。もっともっと広義の意味でスポーツを捉えて、何らかの身体活動、身体を動かすという事がスポーツに繋がっていくのでは。出来る事から(国民に)お願いしたい。」とスポーツそのものの定義を変えていく。簡単なエクササイズ(筋トレ・ヨガ・ストレッチ等)もスポーツに含まれるとする。
人生と社会を変え、未来を創るスポーツ
安倍政権は、「一億総スポーツ社会」の実現を目論む。一日には、鈴木長官の諮問機関「スポーツ審議会」にて本年度から五ヶ年の施策指針を示す「第二期スポーツ基本計画」の答申があった。新たな計画ではスポーツにより「人生が変わる」「社会を変える」「世界とつながる」「未来を創る」の四基本方針を策定。国民医療費の抑制や地方創生等に取組むものだ。今月下旬に松野博一(壬寅)文科大臣が決定する予定。
国家予算の四割を占める国民医療費を早急に抑える為に、国民、特に二十代から四十代の週一スポーツが欠かせない。
『ヘルスケア&スポーツ街づくりEXPO2017/㈱日本経済新聞社』
撮影記事:金剛正臣
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