アジア一の影響力を持つデザイナZIN KATOを感動させた越ブランド・NGUYEN CONG TRI(グェン・ツォン・トリ)

【高級ファッション報道】 平成二十九年三月二十一日に東京・渋谷にて、ベトナム社会主義共和国のファッションブランド『NGYYEN CONG TRI(グェン・ツォン・トリ)』がAFW東京内で来季の秋冬コレクションを発表した。本年で二年目となった経産省が仕掛ける「Asian Fashion Meets TOKYO」。越・デザイナは昨年に引き続きグェン・ツォン・トリ。


来季のテーマはグエンが住むサイゴンが舞台だ。現地の女性の花売りからインスピレーションを受けたというNo.10「エムホァ」。女性達が貧しく古びた服を着て、鮮やかな花を一杯に乗せたリアカを懸命に引き、働く姿が“儚く美しいコントラスト”を描いた。街の騒音や息苦しさを忘れさせ、人々に安らぎを齎す様に、感じた一面を表現した。日差しが強い越で働く女性達の作業服をベースとしている。彼女達の背負う花の美しさを背部の刺繍で表し、立体感を出した。



本年で二回目のコレクション発表となるグェン。学びを重ね、日本市場での戦略を練る。来年、再来年には更に新しい事に挑戦する。前回のコレクションは全て一点物のオートクチュールであったが、来季からプレタポルテにも参入。報道現在、購入方法は同ブランドのHPより、Eメールにて注文が可能となっている。ECサイトの導入は見込みが立っていない。

今後のブランド レベルの目標は、ニッチな高級路線を目指す。目標の一つに、自身の店舗を開く。




 <デザイナの背景には何をもっているか>

 ランウェイショーに訪れていた“アジアで最も影響力のあるデザイナー賞”に選ばれたデザイナ・ZIN KATOにコレクションの感想を聞いた。「楽しいコレクションでした。自分は元々、エレガンス系のデザイナなのでドレスが迚も素敵だと思った。特に動きのあるフリンジのドレスとか。それに、ちょっとハードな感じのコートとか合わせているのがコーディネート的には新しかった。造花のびっしりとか、あのびっしり感は大好きですね。迚も良い素材を使ってるなと思ったし、手仕事。ああいう手仕事の凄いの見ると、それだけで感動してしまう。びっしりだけで人を感動させるという要素が有るから、凄いなと思った。」と褒め、高い評価をした。


理由については「日本において、びっしり物を作ろうというのはコスト的に無理な訳よ。人件費が高いから。どういう背景を持っているか、っていうのがファッションの場合は凄く重要で、そう意味で言うと彼はベトナムという産地を背景にもっているのは、びっしり系の物を作るのには優位だと思う。」と、越の産地優位性とデザイナの背景の重要性について語った。


「知恵を使う話で、趣味とか芸術じゃないから、やっぱりビジネスとしてやるわけだから。そしたらどういう産地を背景にもっているか、というのが凄く重要。絶対的にどの程度背景をもっているかが物づくりにダイレクトに関係してくる。」と重ねた。


コレクション トレンドの「See Now,Buy Now」にも触れ、ZIN KATOについては次のS/SからA/Wも入れる算段がある。アジアNo.1を得たデザイナ・ZIN KATOに評価された同ブランドの価値は高いと思われる。今後、ビジネス的に、どの様に展開できるかが発展の鍵となる。


『Asian Fashion Meets TOKYO (Vietnam)』

撮影記事:岡本早百合

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