共産党の『総選挙』公約は社会主義の「新経済」、二万六千字へ綴った想い

【政治報道】 日本共産党(委員長:志位和夫)は、令和三年十月十一日に第四十九回『総選挙』の公約『なにより、いのち。ぶれずに、つらぬく』を発表した。字数は二万六千字を超えた。総選挙は十九日公示、三十一日投開票。


十一日に記者会見にて志位委員長(甲午)は、「今度の総選挙政策は新しい日本のビジョンの全体像を示すものとなりました。今度の総選挙で政権交代を実現し、新しい政権を創る。これを大目標に掲げておりますが、それに相応しい内容になったと考えております。」と述べた。


以下が四つのチェンジ。

  1. 日本共産党の新経済提言;コロナ危機を乗り越え、暮らしに安心と希望を
  2. 地球の未来を守る政治への転換;気候危機を打開する日本共産党の二〇三〇戦略
  3. ジェンダ平等社会の実現、多様性と個人の尊厳を大切にする政治への転換
  4. 憲法九条を生かした外交への転換で、平和な日本とアジアをつくる



<社会主義的 新経済>

 一項では「新自由主義」を終わらせ、命と暮らしを大切にする政治に変えたい。岸田内閣をアベノミクスそのものと断じる。企業の内部留保は四百六十七兆円(昨年度末)だが、法人税は減税(二十八㌫から二十三.二㌫)。所得一億円超で、税負担率が下がる富裕層優遇の税制はそのままと具体的な数値を挙げ、批判。実質賃金の平均は十万単位で下がった点も主張した。


そこで、家計応援の政治でボトムアップ(底上げ)に切り替えたい。中小企業への十分な支援とセットで時給一千五百円へ引上げや大学・短大・専門学校の学費を半分に、給付奨学金の充実(無利子・減免制度)、入学金制度の廃止、給食費の無償化、富裕層と大企業に応分負担、消費税五㌫へ減税等を掲げた。


他にもマクロ経済スライドの撤廃や「最低保障年金制度」、国民健康保険料(税)を抜本的に引下げ、生活保護から「生活保障制度」へ、「住居確保給付金」「生活福祉資金特例貸し付け」の延長・拡大及び給付への切替え等の支援強化、『派遣労働者保護法』、児童手当を十八歳まで、「児童扶養手当」「就学援助」の額と対象の拡大、子育て世帯に向けた継続的・恒常的な現金給付の拡充も挙げた。



大企業・富裕層のみ増税

 中小零細に関しては、「持続化給付金」「家賃支援給付金」の再支給や「協力金・支援金等」の拡充と迅速化、コロナ対応借入分の軽減・免除、国費数千億円単位へ「文化芸術 復興創造基金」強化、中小企業予算は一兆円規模に増額等を掲げた。他にも法人税率は、中小企業を除いて安倍内閣以前の二十八㌫へ戻したい。


また富裕層の株取引への税率は欧米並みに、所得税・住民税の最高税率を現行五十五㌫から六十五㌫へ引上げ、富裕層の資産に毎年低率で課税する「富裕税」等と大企業と富裕層だけに絞った増税案を考えた。


各種増税と軍事費や大型開発の削減等で財源十九兆円を確保する算段。




<女性と子どもを護る>

 三項では「男女の賃金格差」を是正したい。生涯賃金で一億円も差があると試算した。家族的責任がある労働者は、男女を問わず、単身赴任や長時間通勤を伴う転勤を原則禁止。看護休暇や育児介護休業制度を拡充。残業は本人同意を原則。これらの措置が、昇給昇格において不利益評価は禁止等と社会主義を貫く。


他にも強姦(レイプ)関係も「同意要件の新設」等と『刑法』性犯罪規定を改正したい。『DV防止法』も改正し、保護対象の拡大等をしたい。


教育に関しては、公教育にて性教育を充実させたい(科学的な「包括的性教育」)。来年度の教員定数を七百七十七人減らそうとしているので、教員問題を鑑み、数万から十万人規模の教職員の緊急増を行いたい。「子ども第一」の対応を学校に保障する。国家の教育予算はOECD水準に引き上げ。「子どもの権利」の擁護は学校と教育行政の最重要事項に。



中国共産党は批判

 四項では「異常なアメリカ言いなり」の政治を糺す。『新安保法制』は廃止、軍縮へ。『日米地位協定』は抜本改定。『日米新安保条約』は破棄し、『日米友好条約』を締結して真の独立国へ。


中国共産党(総書記:習近平)による東シナ海や南シナ海での独裁主義的な行動は決して許さない。『国際法』に基づく冷静な外交的批判が重要。「北東アジア平和協力構想」の推進。これは、紛争の平和解決のルールを定めた北東アジア規模の「友好協力条約」を締結するもの。北朝鮮問題等も含まれる。


但し、中国は最も重要な隣国の一つとし、日本共産党が中国を批判するのは「日中両国・両国民の真の友好を願う立場からのものです。」とした。尚、同じ共産党だが、日本共産党は民主主義であり、中国共産党の独裁主義とは根本が異なる。


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