「攻めの経営」を促す役員報酬の手引書

【ビジネス報道】 経産省(大臣:世耕弘成)は平成二十九年四月二十八日に、『「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-(公表時点版)』を作成し、公表した。同手引きは中長期の企業価値向上に対応する役員報酬プランの導入を促す為のもの。


背景は、持続的な企業価値の向上を促進する上において、経営陣にインセンティブ(中長期)を付与する為の環境整備を行う事が重要とする。その環境整備には、多様な業績連動報酬や株式報酬の導入等がある。本年度の税制改正の役員報酬に関する税制において、下記三点等の措置が講じられた。


  1. 昨年度の税制改正にて導入した譲渡制限付株式報酬(事前交付型リストリクテッド・ストック)の損金算入対象を、非居住者役員や完全子会社以外の子会社の役員へ拡大
  2. 業績連動給与につき、複数年度の利益・株価等の指標に連動したものも損金算入の対象
  3. 株式交付信託やストックオプション等の各役員報酬類型につき、全体として整合的な税制とする



役に立つQA

 全六十四頁の同手引きには、「攻めの経営」を促す役員報酬の概要と株式報酬・業績連動報酬に関するQAが記されている。QAには六割を割いている。同省の調査によれば、企業は業績連動報酬について短期指標が六割、中長期指標が一割強と役員に対して短期間での成果を求めている事が分かる。但し、短期視点のみでは持続的な企業価値の維持・向上は図れない。国としては、中長期的視点を求めたい。


経営陣への報酬の種類として、株式交付信託・ストックオプション・金銭報酬(ファントム・ストック、パファーマンス・キャッシュ、SAR)を挙げている。QAでは役員給与に関する税制改正の全体像に関するものが有益だろう。どの様にすれば損金参入が認められるのか、事前確定届出給与と業績連動給与の違い等を説明している。


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