世界文化祭『ロシアの季節(セゾン・リュス)』始まる、露副首相「日露間は新たな高次元に。」と

【社会・政治報道】 二十世紀で最も影響力のあるバレエ団と称された「バレエ・リュス」。率いたのはセルゲイ・ディアギレフ(壬申)。明治末期に『ロシアの季節(セゾン・リュス)』の名で欧州全土と南北アメリカでツアーを行った。ソ連誕生で途絶えてしまってから百年の時を経てリバースする。


平成二十九年六月五日にロシア連邦大使館にて、大規模国際文化プロジェクト『ロシアの季節(セゾン・リュス)』とその一環『トランス=シベリア芸術祭 in Japan二〇一七』の記者会見が行われた。『ロシアの季節』は本年の日本を皮切りにイタリア、米国、ドイツと四年間に亘って各国でプロジェクトを実施する。会見にはロシア連邦のオリガ・ゴロジェツ(壬寅、写真最上)副首相と文化副大臣が臨んだ。



<ロシア文化の巨大プロジェクト>

 本プロジェクトはウラジミール・プーチン(壬辰)露統領のイニシアティブの下、ドミトリー・メドヴェージェフ(乙巳)首相によって署名された。日本では四十二都市で二百以上の公演・イベントを予定し、年を跨ぐイベントもある。前日の四日には上野にてオープニング セレモニが開催され、安倍晋三(甲午)総理がバレエ「ジゼル」を観劇していた。バレエの他にシンフォニ コンサートや展示、サーカス アート フェスティバル、映画祭、人形展を設ける。


ゴロジェツ副首相は「ロシアのプーチン統領と日本の安倍総理は、日露間を新しい高い次元に上げたと思います。」と二ヶ国間の文化的結び付きを称え、前日のバレエ「ジゼル」を観賞した日本人に対して「迚も洗練された理解度の高い人達でした。」と感想を述べた。来年のロシアのプログラムについても触れた。教育や観光等、多岐に亘る分野で経済的影響を与えるものに取り組んでいる旨を伝えた。



黒澤明の寿司

 同日にアンドレイ・コンチャロフスキー(丁丑)監督の映画「パラダイス」が六本木でプレミア上映され、主演女優と共に舞台挨拶を行った。舞台が第二次大戦下の独仏である本作は「第七十三回 ヴェネチア国際映画祭」で銀獅子賞を受賞。各国の映画祭で十二の賞を受け、十三部門にノミネートされた。コンチャロフスキー監督は記者会見で「ロシアの芸術を皆さんにお見せする事は、大変光栄に存じます。」と述べ、三十年前について「前回の来日は一生忘れません。偉大な監督、黒澤さんご自身が富士を背景にしつつ私にお寿司を作ってくれたからです。」と黒澤明(庚戌)との想い出話しをした。


またロシアの小説家のレフ・トルストイ(戊子)が遺した「芸術とは、人が己に起こった最高のまた最善の感情を他者に伝える事を目的とする人間の活動である。」を引用し、コンチャロフスキー監督は「皆さんがロシアの季節に来る際、皆さんはお祭りの様に来ます。お祭りは何かと言うと、人が歓んでいる場所です。その人達は人間愛、人間の美を歓びます。」と本プロジェクトの本質を伝えた。更に日本の哲学の大きな柱として、真実を見つける時は、真実を求め続ける事を止めた時、と語った。


『「ロシアン・シーズン」及び「トランス=シベリア芸術祭 in Japan 2017」/ロシア連邦政府』

画像提供:トランス=シベリア芸術祭inJAPAN2017 PR事務局

撮影記事:金剛正臣

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