仕事のセンスを向上させる方法

【ビジネス コラム】 仕事にはセンスがある。「産能大」総合研究所は平成二十九年五月に『新卒2 年目社員と先輩社員に聞いた “仕事センス” に関する意識調査』を公表し、回答者の七割が仕事センスがある人は、「自分で判断して行動する力がある」とした。


他にも「相手に明確に説明する事ができる」「人柄のよさ」「関係者を調整する事が得意」「相手の言動から状況を察知できる」「適切な質問をする事ができる」「ストレスに耐える事ができる」「できない事にNOと言うメンタルの強さ」が挙がった。


そもそも仕事のセンスとは何だろうか。それは最高の成果を出す為の感性である。時間でいえば最短。労力でいえば最小。そして求められている成果(結果)を創り出せるか。料理で例えると、与えられた食材を決まった時間内に上手く調理することとなる。




<仕事は成果で判断の原則>

 成果というゴールの設定を見誤る人は多い。最もありがちなのは、仕事の完成をもってゴールとすること。仕事を完成させて、そのパフォーマンスを成果する。これが重要な指標だ。もう一つ。仕事の手順を守ったことでゴールとすることも誤りだ。手順は守っても仕事が未完の場合がある。


ビジネスは全て成果である。それ以外はゼロ評価。この絶対原則を守れない人はセンスがない。


気になることはセンスの向上のさせ方だろう。これは簡単である。多様性が叫ばれる現代であるので、多様なセンスをスポンジのように吸収していくことだ。センスがない人は自身の価値観にとてもこだわる。これではセンスをバージョンアップできない。特に自身にとって苦手なタイプの人のセンスを吸収することが最も早くセンスを向上できる。


例えよう。センスが近い、つまり感性が合う仲間とだけずっと居ても、センスは向上しない。仲間は一種の村のようなもの。その村に住み続けると、他の文化が分からずセンスは劣っていく。異文化の村や町などとの交流でセンスは研ぎ澄まされていくものだ。自身にとって苦手なタイプが集まる村は、自身のセンスを向上させる良い土壌なのだ。



よく分からない、それがチャンス

 賢いユーザは既に感づいている。仕事のセンスは学びの欲求に等しい。仕事の利害関係者をそれぞれ知ろうとする気持ちが大事なのだ。これはプレゼンが上手いビジネスマンが良い例だろうか。そのビジネスマンは顧客が欲しているものを顧客の言語で頭と心に伝える。ないし欲していたことに気付かせる配慮がある。


順番でいえば、自身の頭で考える前に顧客の情報を知る。情報を知った上で考え、その考えを信頼できる上司などに相談し修正箇所や根本的な変更を行う。次にターゲットの顧客に分かりやすい言葉、響き易い調子、決定的な一言を考え練習に明け暮れる。


何をして良いか分からない、どうして良いか分からない。こういった人は周囲への学び、情報が不足している段階だ。情報収集を始める。材料が揃ってから料理を考える。仕事のセンスがない人は恐らく、材料が揃う前に料理を作ることを考えている。材料には種類があり、予算があり、賞味期限がある。そういったことを何も考えずに、行き当たりばったりでは良い料理はできないのではないだろうか。


記事:羽田野正法

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