【ビジネス ニュース】 平成二十七年十月三十日にディー・エヌ・エー<2432.T1>は、四類のジャンル特化型メディアを開始した。ヘルスケア「welq(ウェルク)」、車関連「GOIN(ゴーイン)」、投資・保険「Upin(アップイン)」、エンタメ「PUUL(プウル)」。これで同社が有する媒体は十を数え、全媒体で情報を共有し月あたり四千万のユニークユーザ数を目標にする。キュレーション系と謳っているが収集された情報による集合価値は懐疑的で、実際はブロガー要素の強い執筆者ら(ハンドル名多数)による記事のアグリケーション系とみられる。同社は直近半年で株価を持ち直していたが、十月二十八日を境に二十%も株価がダウンした。
同社の媒体の成功はSNSを利用した共有にあった。自前で動画の制作等も行い、積極的に数字を積み重ねた。しかしながら、バイラル化に投資家が嫌気をさしたか。記事という産物は職人性が高いモノである。現実に足を使ってこそ、記事の信頼性が上がる。仮想で手を使っているダケでは、信憑性が陰る。しかし媒体主の目的が広告収入であるなれば、多数のシェアを得れる質の高くない記事が繁栄する。記事「爆発的人気を博したバイラルメディアに陰り、一方で伝統メディアは記事のバイラル化に拍車」によれば、検索から共有にシフトしており、伝統的なニュース メディア自体がバイラル化していると警鐘を鳴らす。
| 共和党大統領候補の人気投票でトップを走っていた不動産王ドナルド・トランプ氏が、参加した討論会の記事はどれも、Facebookでものすごく拡散していた。図10の動画ニュースもそうだ。シェア数が23万件を超え、再生回数も1290万回以上なのだが、質の高いニュースとはとても思えない
既出記事「どのニュース メディアを選ぶかで変わる人生」で触れた通り、記事の精査はユーザ自身で行わねばならない。さもなくば、ウソやデマ、低品質の記事に左右されるコトになる。同社の記事が高品質化に成功すれば、株価は上るか。
(了)
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