役員給与の損金算入拡大、業績連動給与は複数年度に

【ビジネス報道】 経産省(大臣:世耕弘成)は、平成二十九年九月二十九日に『「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-』を改定し公表した。本手引きの目的は、中長期の企業価値向上に対応する役員報酬プランの導入促進。改訂部は、改正『法人税法』の十月一日施行部分(特定譲渡制限付株式等)等。


ポイントは株式報酬・業績連動報酬に関するQAや株主総会報酬議案(例)、譲渡制限付株式割当契約書(例)、株式報酬規程(例)等。百十四頁に及ぶ。


役員給与税制の改正は大別して以下の三類。

  1. 株式報酬信託やストックオプション等の各役員給与類型の整合性
  2. 特定譲渡制限付株式、ストックオプションに係る課税の特例対象を非居住者役員や完全子会社以外の子会社役員へ拡大
  3. 業績連動給与(利益連動給与)につき、複数年度の利益連動及び株価連動も損金算入の対象に



役員給与の税制全体として、一はインセンティブ報酬の中で「報酬類型」によって損金算入が異なってたが、今後は一定要件を満たせば損金算入できる。報酬類型には特定譲渡制限付株式、株式交付信託、ストックオプション、パフォーマンス・シェア、パフォーマンス・キャッシュ、ファントム・ストック、ストック・アプリシエーション・ライトと退職給与がある。役員給与に関する新法適用は原則四月一日以後の支給・交付に係る決議、例外は退職給与、譲渡制限付株式及び新株予約権で十月一日以降の決議。

非居住者役員は、特定譲渡制限付株式とストックオプションにつき、損金算入が可能になった。


事前確定の届出給与としては、非完全子会社の役員も株式報酬の付与対象となった。


業績連動給与(利益連動給与)としては、算定指標に株価等を指標に追加できる。改正前は利益の状況に関する指標のみだった。計測期間は単年度から複数年度の指標も対象になった。また同族会社の内、非同族親会社の完全子会社ならば、業績連動給与の対象になる。


記事:羽田野正法

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