報道各社序盤調査、国民は “改憲へ強くアクセル”を望むか|衆院選2017

【政治考察】 約五年に及ぶ安倍政権の是非を問う『衆院選挙二〇一七』の序盤情勢を報道各社が伝えた。市場は好感し、日経平均は連日値を上げ、アベノミクス史上で最高値を更新。


各社の調査を統合すると、自民党(総裁:安倍晋三)・公明党(代表:山口那津男)の与党は、やや議席を減らす。だが改憲派の希望の党(代表:小池百合子)と日本維新の会(代表:松井一郎)を合わせると、改憲の第一段階である国会での改憲発議要件「三分の二(三百十議席)」を大きく上回る。


参院は既に自民・公明で「三分の二」を確保している。護憲派の立憲民主党(代表:枝野幸男)、日本共産党(委員長:志位和夫)と社会民主党(党首:吉田忠智)は改憲を阻止する「三分の一(百五十五議席)」に現状では届かない見込み。一時は自民大敗の気配が出たが、安倍総裁(甲午)の当初の思惑通りに進んでいる。自民大敗にブレーキを掛けたのは、独裁色を全面に出した小池代表(壬辰)と政治信条を貫いた枝野代表(甲辰)。


然しながら選挙終盤に向けては、情勢が変わる可能性もある。投票先を決めかねている有権者が一定割合いがいる点と投票率だ。前者は選挙期間中に何が報道されるかで変わる。後者は国民の興味・関心による。こちらも報道如何だ。現状で投開票日を迎えたとすると、改憲へ大きく踏み出す事になる。投開票日は平成二十九年十月二十二日で十日後。



<新聞社の電話調査>


 日本経済新聞の十一日の記事「与党300議席に迫る勢い 衆院選序盤情勢」では、日経リサーチ(代取:三宅誠一)による十日・十一日の電話調査八万人の結果を報じた。衆院定数四百六十五議席の内、自民・公明で三百議席に迫る予想。安定多数の二百四十四議席を上回る。希望と維新を合わせると、八十議席前後。立憲、共産と社民を合わせると、六十議席前後。但し、小選挙区で三割、比例区で二割の有権者が投票先を決めていない。


 読売新聞の十一日の記事「自民、単独過半数の勢い…衆院選・序盤情勢調査」では、十日・十一日の電話調査八万人の結果に取材を加味した結果を報じた。自民・公明で三百議席を伺い、自民単独で絶対安定多数の二百六十一議席に届くと視る。希望は二百人近くを擁立したが、公示前と余り変わらない六十議席前後と踏む。立憲は公示前の十五議席より三倍近い数字を叩ける模様。維新と共産は同数程度となった。

尚、日経に同じ小選挙区三割、比例区二割の有権者が未決定。


 朝日新聞の十一日の記事「自民堅調、希望伸びず立憲に勢い 朝日新聞情勢調査概況」では、十日・十一日の電話調査四万人の結果に取材網の情報を加え報じた。自民は単独過半数である二百三十三議席を大きく上回ると視る。公明は公示前の三十四議席の維持程度。希望は公示前を上回る可能性程度。立憲は勢いで希望を凌ぎ、希望に迫る議席数の可能性を示唆。共産と維新は維持程度。

尚、朝日は小選挙区、比例区共に四割の有権者が未決定とした。



タブロイド紙の予測

 夕刊フジの十一日の記事『【激闘10・22衆院選】小池代表「希望」は苦戦、立憲民主党が大健闘』では、選挙プランナ・松田馨の予測を掲載。自民・公明で三百超議席。自民単独で絶対安定多数を超える。希望が五十二で立憲は三十六。共産は二十四で維新が十七議席とした。但し、与党が緩みや奢りが出ると、一気に形勢逆転する可能性を記した。


 日刊ゲンダイの十二日の記事『総選挙予測 自民「大幅71議席減」の可能性…希望は失速93』では、政治ジャーナリスト・鈴木哲夫の予測を掲載。自民が二百三十五、希望は九十三、立憲を三十議席と視る。自民が誤差三十、希望は二十、立憲を十未満とした。先週末の自民の独自調査、自民二百三十九、希望百、公明三十四、立憲二十九、維新二十五、共産二十二も併せて掲載した。そして投票率六割で自民大敗とした。



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