皇后陛下が八十三歳に、奨学金制度の将来をお気にされる

【社会報道】 皇后陛下(甲戌)が平成二十九年十月二十日にお誕生日を迎えられ、宮内記者会の質問に対して三千字を超える字数で文書のご回答をなさった。満八十三歳になられた。


宮内記者会からの質問は、直近一年の自然災害、『天皇の退位等に関する皇室典範特例法』の六月成立、秋篠宮親王(乙巳)殿下の第一女子であられる眞子内親王(辛未)殿下の九月ご婚約内定を挙げ、一年を振返って感じられた事。


自然災害に関して。

既に6年以上経た岩手,宮城,福島の3県でも,今なお1万8千人を超す人々が仮設住宅で暮らしていることを深く案じています。また,北九州には,地震で被災した後に,再び豪雨災害に見舞われた所もあり,そうした地区の人たちの深い悲しみを思い,どうか希望を失わず,これから来る寒い季節を,体を大切にして過ごして下さるよう心から願っています


ベトナム訪問に関して。

第二次大戦後の一時期,ベトナムで営まれていた日本の残留兵とベトナム人の家族のことなど,これまであまり触れられることのなかった,この国と日本との間の深いつながりを知ることができ,印象深く,忘れ難い旅になりました


軍縮に関して。

中満泉さんが国連軍縮担当の上級代表になられたことは,印象深いことでした。「軍縮」という言葉が,最初随分遠い所のものに感じられたのですが,就任以来中満さんが語られていることから、軍縮とは予防のことでもあり,軍縮を狭い意味に閉じ込めず,経済,社会,環境など,もっと統合的視野のうちに捉とらえ,例えば地域の持続的経済発展を助けることで,そこで起こり得る紛争を回避することも「軍縮」の業務の一部であることを教えられ,今後この分野にも関心を寄せていく上での助けになると嬉うれしく思いました


皇后陛下は、国内へのご訪問を公的に天皇陛下(癸酉)とお供する最期の機会とお察しになられ、「感慨もひとしお深く」と綴られた。また心に懸かる事として、災害復興の他に奨学金制度の将来や微細プラスチックを取込んだ魚等も挙げられた。



特例法に関して。

長い年月,ひたすら象徴のあるべき姿を求めてここまで歩まれた陛下が,御高齢となられた今,しばらくの安息の日々をお持ちになれるということに計りしれぬ大きな安らぎを覚え,これを可能にして下さった多くの方々に深く感謝しております


政府は天皇陛下の譲位を平成三十一年三月三十一日とし、皇太子殿下(庚子)の即位及び新元号の施行を翌日の四月一日とする方向で最終調整に入っている。これまでのハイムの報道の通り、二年後から新元号となる。新元号は来年中に政府が発表する見込み。


皇后陛下は、一年で「頸椎けいつい症性神経根症」「急性気管支炎」「口唇ヘルペス」「帯状疱ほう疹しん」をご発症になられた中、三百件以上のご公務をなされた。当日は皇族方始め三権の長等から六回に亘る祝賀を午前中に。正午にご祝宴。夜のお祝御膳は皇太子同妃両殿下、秋篠宮同妃両殿下 と第一皇女の黒田御夫妻と。


画像・文章引用:皇后陛下お誕生日に際し(平成29年)/宮内庁

写真:政府主催の全国戦没者追悼式(平成二十九年)にて

撮影:岡本早百合

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