小林稔侍が五十六年目にして初主演の映画『星めぐりの町』

【芸能報道】　平成三十年一月二十七日に東京・有楽町にて、映画『星めぐりの町／ファントム・フィルム』の初日舞台挨拶が行われ、映画初主演の小林稔侍（辛巳）、壇蜜（庚申）、高島礼子（甲辰）と黒土三男（丁亥）監督の四名が登壇した。

小林は俳優として五十六年が経っての初主演で最初の挨拶から感極まっていた。昭和三十六年の今頃の季節に最終審査に残った小林は社長室に呼ばれた際の話しを「映画というのは夢の様ですから。」と言葉が重かった。当時は高校生であった。

小林の印象を蜜は「とっても寡黙なんです。ふふって笑う瞬間が頼もしくて。」と伝えた。蜜は父との思い出が少ない為、やや耽っている様に感じた。特に小林から茶の入れ方を指導して貰った点を嬉しそうに話した。

礼子は小林について「こういう人の為なら。」と奉仕したくなる男性である点に触れ、「普段から不器用で。何が言いたいのか察してあげないといけない。」と述べた。今後、小林と共演する場合には子分役をやりたいと言った。それらを受けて小林は「お二人の言う事を聞いていれば間違いないです。」と謙遜した。

初のメガホンを取った黒土監督はキャスティングについて「礼子は必ず。」との想いがあった。蜜については久米宏（甲申）と本の会話をしていた内容より「身の丈しか物を言わない。」と誠実さが決め手となった。

最後に小林は「（監督が）僕を起用した事は大変な冒険だったと思います。」と黒土監督の苦労を労い、「五十六年目の夢に出逢えました。有難う御座いました。」と深く頭を下げた。尚、子役の荒井陽太からの手紙が朗読され、ロケ地となった愛知・豊田の太田稔彦（甲午）から花束の贈呈があった。

撮影記事：金剛正臣