【社会報道】 東京都(知事:小池百合子)は、平成三十年二月八日に『東京グローバル人材育成計画 ’二〇』を策定し公表した。今後、本計画を都内の公立学校教育におけるグローバル人材育成の基軸と位置付け、グローバル人材が活躍する未来像の実現に向けて取組む。策定に当たっては、昨年末に都民から意見を募集していた。
本計画はの今後三年間の具体的施策をファースト ステージとして示した。育成すべき人材像は、社会や世界の動きを見通して自ら人生を逞しく切り拓く人材と日本の未来を担って東京の発展を支えてリードする人材。本計画の目標を「生徒の英語力」「教員の英語力」「国際交流」に分けて設定。取組みの方向性は、教育ビジョンで定める三柱(実現力・国際感覚・自覚と誇り)の達成の為に授業の質を高め、学ぶ時間及び機会を増やし、学ぶ意欲を高め、学び続けるものとす。
<英語が話せる中身のない子どもを育てたいのか>
三柱を踏まえた二十政策は明らかに小中学生に英語を軸として教育するものとしている。エリートが陥るジレンマだ。外国語は優れた国語によって発達する。何よりもダイバシティが叫ばれる中、外国人と日本人の違いを教育する事が肝要である。それは国語によって為されるべきで、外国語は後回しで良い。更には自尊心と愛国心を日本語で表現できるか否かが、グローバル人材に繋がる。
中身のない人材はグローバル人材に成り得ない。ただ英語を撥音良く流暢に話せるだけだ。その能力もAIの発展により、近い将来に高精度なリアルタイム翻訳アプリのリリースで無価値となる。本計画は大変に浅はかである。都独自の英語教材「Welcome to Tokyo」は外国人が主体である点で問題だ。これでは子どもが外国人を上位に見てしまう。三柱の一つに「誇り」があるが、正に「誇り」を子どもへ如何に醸成するかが教育委が考える事であろう。委員はグローバルで通用する日本人としての「誇り」をもっているのだろうか。
子どもは黙って、本計画の授業を受けるしかないのか。
二十の政策は以下の通り。
- 小学校英語の教科化等への対応
- 中学校における「わかる」「使える」を実現する英語授業の推進
- 教員の英語力・指導力の底上げ
- 最新の英語教授法の習得
- ネイティブ・スピーカーの活用による授業改善
- 授業改善に向けた
- 英語での実践的な発話を体験
- ICT を活用したスピーキング能力の向上
- 日常的に英語を使用する校内環境の整備
- 日本や東京の文化・歴史等を英語で発信できる力の育成
- 持続的な国際交流の推進
- 「世界ともだちプロジェクト」による交流
- 同世代の外国人と交流できる環境の整備
- 海外留学への支援
- 国際貢献意欲の育成
- 「国際バカロレア」の取組
- 国際色豊かな学校の拡充
- 都立高等学校入学者選抜英語学力検査の改善
- 海外大学進学希望者への支援
- 英語以外の外国語学習の充実
記事:金剛正臣
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