令和九年の子ども向け・大人向け目標|経団連の教育提言

【経済・教育報道】 経団連(会長:十倉雅和)は、令和四年十月十一日に『「次期教育振興基本計画」策定に向けた提言』を公表した。副題は、主体的な学びを通じ、未来を切り拓く事ができる多様な人材の育成に向けて。

上PDFは各指標。


優先的に取組むべき教育政策の施策として、以下を挙げた。

  1. 文理分断からの脱却
  2. デジタル人材の育成
  3. グローバル教育・海外留学
  4. キャリア教育・起業家教育
  5. 子どもの才能を伸ばす多様な教育機会の提供;政府が学校・経済界・大学・科学館等を繋ぐ「プラットフォーム」を構築
  6. 大学院教育;企業が優秀な博士人材をより積極的に採用する事も重要
  7. リカレント教育;企業は、「社員がリカレント教育等を受講する際の経済的支援及び休暇・休業制度の導入」や「学び直しの成果を処遇・報酬と連動する仕組みの導入」等の環境整備を検討すべき
  8. 教育DXの推進;「ハイブリッド型教育」の実現等
  9. 産学官の連携・協働を通じた、社会に開かれた学校づくり;「教員の働き方改革」等

文理分断からの脱却

 一は、「STEAM教育」の推進や大学における文理融合・リベラルアーツ教育の推進等。高校では、本年度に設けられた「総合的な探究の時間」等を活用し、「STEAMライブラリ/経産省」へ掲載された教育コンテンツ等を参考に、STEAM教育に取組むべき、とした。


また教員は、生徒の能力や関心に応じてSTEAM教育のテーマを設定し、ファシリテータとして授業を組立てる能力が求められる事から、当該能力を高められる様に、教職課程や教員研修の内容を大胆に見直す必要がある、とした。



デジタル人材の育成

 二は、小学校「情報リテラシ教育」や高校「情報教育」、高等教育「数理・データサイエンス・AI教育」等。読解力低下の一因として、授業におけるデジタル機器の利用時間が短い事による情報活用能力の不足を指摘したが、これは経団連の筋違い。アマルタ教育の弊害が原因である。


高校では、本年度より「情報Ⅰ」が必修科目となったが、公立では二割強の教員が情報の免許を持たない。よって、教科「情報」を専門的に指導できる教員の確保が急務、とした。


また数理・データサイエンス・AI教育は、リカレント教育でも推進する必要性を訴えた。



グローバル教育・海外留学

 三は、海外大学との教育連携の推進や初等中等教育における英語教育の推進、「国際バカロレア(IB)教育」の推進、「外国人留学生」の日本企業への就職の促進等。英語教育を推進する前に、母国語である国語を強化する事が順序である。



キャリア教育・起業家教育等

 四は、キャリア教育、起業家教育金融経済教育。初等中等教育において、起業家教育を積極的に導入すべき、と主張。大学では、起業家教育の拡充(大学発スタートアップの創出まで)に努めるべき、と。目標指標は、大学発ベンチャ設立数/年=二千五百社と、一昨年度の十倍。


基本的な財務・会計に関する知識や株式会社に関する法令等の企業経営上不可欠な知識の習得については、産学が連携した教育プログラムを実施・提供し、起業を志す学生の支援を推し進めるべき、とした。


本度より高校「家庭科」において、資産形成や投資等の金融経済教育が必修化。「金融リテラシ・マップ/金融広報中央委」の改訂を求めた。学校は、教員のリテラシ強化や金融の専門家との連携による出前授業の実施、動画教材と体験型副教材の活用を進めるべき、とした。


PDF:次期計画に掲げるべきと考える指標/㈳日本経済団体連合会

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