経産省が「修羅場をくぐりぬける体験」が重要と|人材力研究会報告書

【ビジネス報道】 経産省(大臣:世耕弘成)は、平成三十年三月十四日に『我が国産業における人材力強化に向けた研究会』の報告を取り纏めて公表した。本報告書は取締役を含むビジネスマンにとって非常に重要な書類であろう。六十四頁に亘って「人生百年時代」における中核人材、大人の学びと施策について記した。


背景は第四革命、人口動態の変化とグローバル化の進展。周知の事実だ。「我が国で、企業が今後も持続的に成長していく上では、これまで以上に、付加価値創出の担い手となる『人材』を確保し、活用していくことが生命線となる」と断じ、スキルの賞味期限の短期化に触れ、「社会人基礎力」の必要性を説く。併せて、自律的にキャリアを形成する「キャリア権」も挙げた。



<中小企業と個人のポイント>

 中核人材では、中小企業における確保が要だ。「背負い系人材」と「専門人材」に分けた。前者はゼネラリスト的。経営の中枢を担う。後者はスペシャリスト的。中核人材を充分に活用してない企業と中核人材の活用ポテンシャルに気付いてない企業へ着目し、求人像の見直し・明確化や働き手目線の欠如を指摘した。兼業・副業の容認等も含めて全体的に中小企業へ柔軟性を求めている。一方で地域企業と都市部の人材を繋ぐ「地域コーディネータ」の必要性も説く。


大人の学びでは、労働と勉学の一体化を挙げた。ポイントは三つ。「何を学ぶか」「どの様に学ぶか」、そして「学んだ後に、どの様に活躍するか」。報告書では新社会人から中高年までの指針を表にした。個人キャリアの視点は、とても重要だ。「個人の指標(主観)」「社会の指標(間主観)」と「経済の指標(客観)」。キャリア形成の弊害は主観に寄り過ぎている時に伴う。最重要視すべきは客観であり、間主観、主観の順位付けだ。そこで「社会人基礎力」を問う。それは「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」と「チームで働く力(チームワーク)」。自身の人生をマネジメントする基礎である。



何に取組むべきか

 施策では個人、企業、政府・社会に分けた。個人が取組むべき方向性として、基盤となる「OS」と専門スキル「アプリ」のメンテナンス、キャリア形成への意識、振返り、企業との対話、勉学の継続と一歩踏み出す力を挙げた。企業の方向性は、多様な成長機会提供・人材活用方法、キャリア開発支援、対話、環境の刷新、職務明確化・評価制度の構築、代取の発信力、働き手目線の求人を挙げた。


政府・社会の方向性は、報告書に基づいた「人生百年時代の社会人基礎力」の考え方のコンテンツ化、振返りの為のイベント開催、企業・民間団体・教育機関との連携、リカレント教育の推進、転職・再就職の円滑化、「経営と人事機能の融合」に向けた環境整備、仲介支援者の創出と育成支援、中核人材確保スキームの確立・普及促進、兼業・副業の促進、事業承継等の機運醸成を挙げた。


報告書はビジネスマンどころか全国民が目を通すべき内容である。これからの人生の大枠を知らなければ、闇雲に場当たり的に突き進んでしまう。リスクを回避する為にも、報告書を熟読し、人生をマネジメントされたい。


画像引用:人材力研究会報告書/経産省

記事:羽田野正法

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