【社会報道】 平成三十年四月六日に国会内にて、自由報道協会(会長:苫米地英人)は第七回『自由報道協会賞』の授賞式を行った。本賞にフリージャーナリスト・伊藤詩織(己巳)の告発本「Black Box/文藝春秋」を選んだ。
同書は二十七年に起きたとされる「準強姦」事件訴訟に関するもの。二度の不起訴処分になっており、報道現在は民事にて係争中。レイプの被害届と告訴状を提出して直面した司法とメディアについて詳細に記した。
選定において同協会は同書で一致。ネットによる一般公募は三百件程で九割近くが同書を指定したという。ノミネートは東京新聞記者・望月衣塑子の著書等の四作であった。選定理由は国内において#MeToo運動の先駆けとなった点。警察捜査の矛盾や性暴力の放置を提言に昇華したと評した。
詩織は「本を書くという事は何れ口に出さなければいけないと思いましたが。」と話し始めた。元々は本を書く予定ではなかった。「きちんと責任をもてないと世に出せない。客観性を重視するジャーナリズムなのに、自分で。」と、事件の当事者が一記者として書く事に戸惑いがあった。そして完成した同書を一読して「どこかで自分の中で整理がついたな。」と述べた。
詩織はCNN等の海外の報道機関に着目されている。今週に英・ロンドンから帰国した際には「日本に帰ってくるのも、未だ恐怖に感じていたのですけれども。」と精神的な傷は癒えない。今後もユネスコ等の海外等で活動を続ける。尚、同日には性暴力に関するシンポジウムも国会議員を複数交えながら議論した。
撮影記事:金剛正臣
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