野党はニッチ戦略からチャレンジャ戦略へ

【政治論説】 新党『国民民主党』が誕生しそうだ。希望の党と民進党の一部が合流して新党結成となる。新党への参加議員は衆参で七十名前後との報道もあり、衆院では野党第一党が厳しい。


内閣支持率は第二次安倍政権以降で最低を記録しても、官僚に数多くの不祥事が出ても、倒閣には至らない。国民目線で二つの大きな原因がある。自民党内であれば誰の政権で期待できるのか。野党であれば政権を担当できるのか。


前者で名前が挙がるのは石破茂衆議、岸田文雄衆議、小泉進次郎衆議。彼らと実質的なライバルである後者は立憲民主党の枝野幸男衆議と新党の新代表。安倍晋三衆議より任せられるのか。この一点に尽きる。


前者の自民党には派閥があるので、各派閥の意見集約を行える衆議が首相候補となる。後者の野党はどうか。自民党が四割近い支持率を維持しているのに対して、立憲民主党は一割前後。新党を形成する民進党は一分前後で希望の党は一分さえも切っている。野党は与党の支持に遠く及ばない。


世論調査は毎月行われる。野党の見せ場は国会だ。今国会だけ俯瞰しても野党の支持は伸びない。安倍政権以降の五年間、支持は伸びない。国民は野党に政権を担わせる気が無い。現政権での不始末の噴出は野党が不甲斐ないからだ。小泉衆議が国政選挙の演説の度に「強い野党」を求めている。現況に至ってしまった野党の責任は重い。


野党は支持者を増やす為の努力を一重に怠っている。SNSの世界ならばファンやフォロワを増やす事をしていない。マーケティング戦略では野党はニッチャだろうか。だが本来ならば、リーダーに競争を仕掛けるチャレンジャになるべきであろう。それが政権交代へのプレッシャとなる。支持者を見るのは当たり前だが支持者の拡大を図らない事こそが問題である。

(了)

0コメント

  • 1000 / 1000