『日比首脳会談』経済・軍事協力の中身

【経済・軍事報道】 岸田総理(丁酉)は、令和五年二月九日に総理大臣官邸にて『フィリピン共和国』フェルディナンド・マルコス(同)統領と首脳会談等を行った。


「日比共同声明」も発出。日比は、経済と軍事で協力していく。


岸田総理は、日本と隣接する海洋国家・フィリピンとの連携を重視している旨を述べた。マルコス統領は、日本側の歓迎に謝意を示し、岸田内閣との間で日比関係を一層発展させる事へ強く期待した。




<経済>

 「フィリピン開発計画 二〇二三ー二八」に従い、日本は六千億円の政府開発援助(ODA)及び民間部門投資による積極的な貢献を通じ、令和七年までに比国の「上位中所得国」入りを活発に支持する。


日本は、比国の高い交通インフラの整備と「ミンダナオ島」等の地域開発に貢献する。「マニラ首都圏」の南北通勤鉄道の整備に係る計・三千七百七十億円規模の借款も供与。「マニラ首都圏地下鉄」にも資金を提供している。


加えて、「首都圏鉄道三号線」の更なる保守・改修の為に追加借款を行う用意もある。他にも、「ダルトンパス東 代替道路」等へ借款の早期供与に向けて取組む。



IT協力

 両首脳は「農業」「IT」分野において協力覚書を署名。後者は協力内容は以下等。


  1. 地上デジタル放送
  2. 網羅的な緊急警報放送システム
  3. サイバセキュリティ
  4. 5Gサプライヤの多様化・オープンで安全且つ強靭な5Gネットワークの構築
  5. 5G・ビヨンド5G
  6. IOT
  7. ビッグ・データ
  8. AI
  9. DX
  10. 医療


「スービック湾」の拠点整備等の海上保安分野、エネルギ分野、保健分野と産業開発分野についても、引続き具体的な協力を進めていく。




<防衛・安保>

 岸田総理は、新『国家安保戦略』等を説明。両首脳は、外務・防衛閣僚会合(2+2)を含む二国間協議を通じ、安保・防衛協力の具体化を追求していく事で一致した。「自衛隊」の訪比手続を簡素化する。


両国は、共同訓練等を強化・円滑にする為、更なる枠組みを含む方途の検討を継続していく。併せて防衛装備・技術協力や日米比の協力強化に向けた検討も進めていく事で一致した。経済安保、サイバセキュリティ等の分野における協力も一層進めていく。


岸田総理は、今後も「バンサモロ自治政府」の樹立に向けた支援を強化する。「スールー海」「セレベス海」と周辺地域における協力も強化していきたい旨を伝えた。マルコス統領は謝意を示した。本年の第一・四半期に「日比海洋協議」を予定している。



南シナ海に関する仲裁判断

 両首脳は中国(主席:習近平)を念頭に、「東シナ海」「南シナ海」における状況に深刻な懸念を表明。力又は威圧を含む緊張を高め得る行為に強く反対し、両海域の安保の重要性を強調した。


岸田総理は、最終的且つ法的拘束力を有する、平成二十八年七月の「南シナ海に関する仲裁判断」への支持を表明。両首脳は「連合国 海洋法条約(UNCLOS)」に整合的で、南シナ海における全利害関係者の権利を害さない、効果的で実質的な南シナ海に関する行動規範の早期妥結を求めた。


マルコス統領は、岸田総理へ本年の相互の都合が良い時期に訪比を招請。岸田総理は、その招待を受け入れた。


画像:総理大臣官邸、Google Map

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