『日本語』が英語・中国語を抑え、「覇権言語」の可能性

【社会考察】 十五世紀~十七世紀までの大航海時代で、「スペイン語」と「ポルトガル語」が世界へ拡がった。その後、二十世紀まで「フランス語」と「英語」が世界へ拡がった。全て植民地政策という武力によるものである。


然しながら世界の覇権言語は、移り変わる


二十一世紀からの覇権言語は「日本語」と成り得る可能性がある。日本の若者・若手は備えられたい。




<日本語マップ>

 報道現在の覇権言語は英語である。挑戦者は「中国語」。十億人以上の絶対数で推し進めているが、海外拠点となる「孔子学院」は各国が共産主義を忌避し、続々、閉鎖へ追い込まれている。


他方、日本語は安倍内閣の時より少しずつ着実に、外交先で日本語を営業している。先の岸田総理(丁酉)のアフリカ歴訪もその一環。データを確認しよう。


国際交流基金は、世界の日本語教育の現状を正確に把握する為、三年おきに「海外日本語教育機関 調査」を実施している。最新データは令和三年度(上図)。中国が首位の百万人台である。



経済成長国と日本語

 ポイントは、次点の七十万人台のインドネシアやインド、メキシコ、ブラジル等。今後数十年間でGDPランクを上げていく国々にて、既に日本語の学習に入っている点だ。


大英帝国発の英語は、世界の四分の一占めた植民地政策で拡がった。米国の米語は「映画」と「音楽」と「Web」を起爆剤に世界へ拡がった。それを真似た中国は映画を強化したが、習政権の発足から映画の作り方の方針を転換(特に大河ドラマ)。ビジネスのゴリ押しによる中国語の拡大のみとなってしまった。習近平(癸巳)主席は、芸能・文化の影響力を過小評価してしまった。


その裏では、日本の歴代アニメが著作権法に違法ながらも、世界へ配信されていった。欧州では「Japan Expo」の例年開催で、欧州の若者・若手を魅了し、原語である日本語への興味喚起を重ね続けている。



国内の日本語学習者

 アニメは作品性だけでなく、「Anison」との連結で支持が強化される。中国も急ぎ、「bilibili」等が日本のKADOKAWA等とアニメを製作しているが、数年で日本のアニメ歴史(クオリティ)を凌駕する事は難しいだろう。


再びデータを確認しよう。次は国内の「日本の学習者数(上図)」。コロナ禍でダウンしたが、毎年十㌫近く逓増していた(文化庁調べ)。それに合わせて機関・施設も逓増していた。


観光客数や観光収入は未だ中国に負けるが、その点は心配には及ばないだろう。何故ならば「日本食」があるからだ。




<日本のグルメ>

 観光においてグルメは欠かせない。「中華」は一応、「上海料理」「四川料理」等の種類があるが、外国人にとっては一様と言わざるを得ない。他方、「Japan Meal(日本食)」は異なる。日本列島の東西南北、及び四季により、味わえる食材・料理はまるで異なる。食材の豊富さは世界屈指だろう。


海外イノベータ達は、とっくに「Izakaya(居酒屋)」を検索している。


中韓にも居酒屋や屋台等はあるが、清潔さや独自ソウルフードの豊富さ、何より健康志向の点で差を付けている。IzakayaガイドのHPも豊富で、足を運びたい中堅・シニアの白人達は多い。そこで壁となるのが、日本語である。



日本語の魅力

 日本の観光客が中国等に負ける理由の一つに、英語対応が少ない点が大いにある。中長期的に見れば、何ら問題ない。我々が外国へ飛ぶ際に英語等の外国語を気にする様に、Izakaya等に興味を抱く外国人は自ら日本語を学ぶ(例;YOUは何しに日本へ?/テレ東)。


一度、Izakayaの味を覚えるチャンスがあれば、日本語への学習熱が出てくる。Izakayaを知らずに死ぬか、Izakayaを知って死ぬか。それ程に他国の食文化は、日本とは異なる。


そして、世界は日本語自体の“音”や“意味”の魅力に気が付き始めている。ディズニーアニメーションが「Let It Go/アナと雪の女王」を二十五ヶ国語版を約十年前に公開。他言語と比べ、日本語の音の美しさに気が付いた。



歌謡曲に詰まる日本語

 日本人は何故に温和で優しいのか?その多くは日本語にある。母音で構成される日本語は、響きが柔らかい。子音で構成される英語等は、当たりがキツく感じてしまう。


言葉では主語や助詞の豊富さ、「いただきます」や「お疲れ様」、擬音語等と日本文化の独自表現が特徴的だ。特に外国の女性は、敬語「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」を気にしている模様。大和撫子の礼節さに女として“美”を感じている様だ。


そして最後に付記すべきは「歌謡曲(Kayokyoku、特に昭和歌謡)」。「Plastic Love/竹内まりや」等の女性歌手を筆頭に、日本の「City Pop」が脚光を浴びているが、中低音をしっかりと発する歌謡曲にも、海外イノベータは手を伸ばしている。外国男性は当時のアイドルが好きな模様。



デジタルもアナログもコンテンツ大国

 「演歌」まで行くと歌唱技術が難しいが、歌謡曲は比較的ノリ易く、女としての魅力や魅惑、強さ等と日本語を勉強している外国人女性に刺さり易いのかもしれない。Anisonに同じ、カラオケBOXで歌う事が前提だ。しかし彼女達は、皆で歌えてその場の人達と楽しめる「新宿二丁目(観光バー)」と「スナック・パブ」の存在を未だ知らない。共に要・日本語である。


以上より中国語とは違い、アニメやグルメ、カラオケ等と日本語を学べば学ぶ程に楽しめる環境が、既に日本には整っている。「和を以て貴しと為す」の日本では、日本文化を尊重してくれるのならば、友達をどんどん増やせてしまう。“お酒”は更に友好を深めてくれるだろう。


依って、デジタルもアナログもコンテンツ大国である大和の国の言語『日本語』は、二十一世紀からの覇権言語と成り得る。当の日本人は覇権を獲る気が無くとも。さすれば若者・若手が学びを磨くべきは日本語となる。


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