【社会報道】 経産省(大臣:世耕弘成)の教育に関する有識者会議「未来の教室」とEdTechh研究会は、平成三十年六月二十五日に第一次提言をまとめて(二十四頁)公表した。教育産業関係者や産業界、学生を交えて五ヶ月間に亘って検討した。第一次提言は叩き台。七月より「未来の教室」実証事業のプロジェクト群を開始して第二次提言に向う。
基本となるイメージは十年後の「日本全国でこんな学び方が当たり前になっていてほしい」。実現の為の諸課題を並べていく。
日本の課題は「創造的な課題発見・解決力」とした。 未来社会は現在の延長線上に無いと断言。社会システムの抜本的な再デザインと「稼ぐ力」の再構築の必要性を説き、国として自問自答する。
しかし、「課題先進国」日本は、こうした過去の成功パターンを頼りにできない環境で、課題の本質を見極め、様々な分野の個人・組織の力を集めて試行錯誤を繰り返し、状況を変化させられるだろうか。
地域や会社や役所の中は、そのような力を持つ「チェンジ・メイカー」達であふれているだろうか。
そして日本の教育は、こうした力やその芽を、一人一人の中に育むことができているのだろうか
次に学習者が学び方をデザインする「学びの社会システム」を提言。ポイントは以下の十項目。
- 幼児期から「50センチ革命×越境×試行錯誤」を始める
- どんな環境でも、「ワクワク」(遊び、不思議、社会課題、一流、先端)に出会える
- 「自分に最適な、世界水準のプログラム」と「自分に合う先生」を幅広く選べる
- 探究プロジェクト(STEAM)で文理融合の知を使い、社会課題・身近な課題解決に試行錯誤
- 常識・ルール・通説・教科書の記述等への「挑戦」を、(失敗も含め)「学び」と呼ぶようになる
- 教科学習は個別最適化され、「もっと短時間で効果的な学び方」が可能になる
- 「学力」「教科」「学年」「時間数」「卒業」等の概念は希釈化され、学びの自由度が増す
- 「先生」の役割は多様化(教える先生、「思考の補助線」を引く先生、寄り添う先生)
- EdTechが「教室を科学」し、教室は「学びの生産性」をカイゼンするClass Labになる
- 社会とシームレスな「小さな学校」に(民間教育・先端研究と協働、企業CSR/CSVが集中)
一について、「50センチ革命」の明確な定義は無いが、自身の手元から50㌢を先ず変える事である。つまりは最初の一歩を踏み出す力である。ここでの「越境」は自他の境を言う。多様性や対話力等を挙げた。「思考錯誤」では失敗からの回復力等を挙げた。今回は主に幼児期を想定。
最後に「未来の教室」実証事業等を通じて更に検討すべき事として、EdTechを活用した様々な学習プログラム等の開発・実証 ・教育現場のシステム改革(民間教育のビジネスモデル転換、学校マネジメント層支援、新しい教員養成)、学校へのEdTechの導入・活用に必要な環境整備(自治体の情報セキュリティルールの整理、学校ICT投資の推進、EdTechの調達構造問題への対応)、社会とシームレスな教育現場づくり(教育分野への企業のCSR/CSVの強化等)、学び方を規定する「大学入試・高等教育・働き方」の未来を挙げた。
第一次提言の中で特に学ぶ事は「未来を創る≒働く≒生きる」に限りなく近づいている、として点は子ども達だけでなく、大人に対しても広く強調するべきだろう。
画像引用:(2)第1次提言のポイント(概要)
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