松田龍平「将棋に日本の魂。」と|映画『泣き虫しょったんの奇跡』完成披露舞台挨拶

【芸能報道】 平成三十年七月三日に東京・新宿にて映画『泣き虫しょったんの奇跡/東京テアトル』完成披露試写会が行われた。将棋界に奇跡を齎した異色の棋士・瀬川晶司(庚戌)五段の自伝的作品の映画化である本作の公開は九月七日。瀬川棋士は史上初めて会社員からプロ編入試験に合格してプロ入りを果たした。当時、三十五歳。


幼少期より将棋一筋で瀬川棋士(しょったん)は生きてきた。新進棋士奨励会の規定にある「二十六歳の誕生日を迎える迄に四段昇段できないものは退会」によって人生の目標を失ってしまった。会社員となって将棋と縁を切ったが、周囲の人々に支えられながら将棋を再開する。プロを目指す重圧からの解放下で、しょったんは将棋の面白さや楽しさを改めて痛感。プロを志向する様になり、人生を賭けた二度目の挑戦を始める。


 舞台挨拶には、しょったんを演じた松田龍平(癸亥、写真最上)やライバル役のバンド「ラッドウィンプス」のボーカルとギター・野田洋次郎(乙丑)、松たか子(丁巳)等の出演者と共に豊田利晃(己酉)監督、瀬川棋士の計十一名が登壇。豊田監督は「青い春(二〇〇二)/ ゼアリズエンタープライズ」「ナイン・ソウルズ(二〇〇三)/東北新社、リトルモア」等の作品で松田の出演を重ねていた。


松田は撮影現場に瀬川棋士がいた点について触れ、「本人がいるんで監督より、ずっと気になってしまって。」と意識しつつも、「将棋を教えて貰った。」と喜んだ。野田は実在するモデルの棋士を演じた。特に「如何にダジャレを。」と意識した。出演者同士も各々が対局していた。中でも新井浩文(己未)は「ブッキーと染谷は最弱。詰められない。一日中、にたにたにたにたして。」と妻夫木聡(庚申)と染谷将太(壬申)対局模様を紹介した。松田も腕を上げた様であった。


國村隼(乙未)は脚本を評価。フィクションだと最初は思っていたが、「本当に現実に、こんな事が起こり得るんだ。実際の事だから凄い力が詰まっている。」と強調した。四十年前に奨励会に属していた豊田監督(写真上)は「気持ち良い映画になった。」と喜んだ。そして数年前からプレゼンしていたものの、実写化の目途が立たなかったが、昨今の将棋ブームのお陰で本作が実現した点に感謝していた。最後に松田は「諦めないという事が何かに繋がる。勇気を貰える映画だと思います。」と将棋を日本の魂が籠っていると表現。締め括った。


=クレジット=

泣き虫しょったんの奇跡

©2018『泣き虫しょったんの奇跡』製作委員会 ©瀬川晶司/講談社

9月7日(金)全国ロードショー

配給:東京テアトル


記事:荒田雅、撮影:金剛正臣

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