【ビジネス考察】 国内の景気低迷や市場の飽和状態から海外進出を検討する中小・零細企業は多いだろう。大阪産業経済リサーチセンター/大阪府は、分析リポート『中小企業における海外子会社の課題』を開示した。開示の目的は、海外での機会を見出し、需要獲得を実現するコトである。海外への進出を検討している企業は、参考になるだろう。
本リポートは四段で構成。第一に背景、第二に現地化の問題、第三に現地化の強化、第四に総括している。第二の現地化は、日本企業がよく苦戦する問題だ。本リポートに因れば、大企業においても未だ課題である点を認める。現地化を三類に分けた。一、現地人材の経営者層への登用。二、商品・サービスの現地カスタマイズ等。三、現地に根ざした経営への転換。
<現場至上主義>
第三は本リポートの要だ。海外の子会社を積極的に現地の獲得を図る「需要期待企業」と、消極的な生産ラインの一部として捉える「その他企業」に大別し分析。海外子会社への権限移譲の重要性に触れ、両社の委譲割り合いは然程に変わらない。然し、現地人の経営者層への登用となると、前者の登用割合が六割を超え、後者は四割を切る。
次に事業の面を分析している。業種別で状況がかなり異なるタメ、前もった現地の業種毎のリサーチが必要であろう。前者が重視する具体的な取組みの上位三位は、「現地企業・消費者への販売拡大」「品質の維持・向上」「市場ニーズ等の把握」となった。後者は「品質の維持・向上」「現地企業・消費者への販売拡大」「市場ニーズ等の把握」、と項目は前者に同じだがプロモーションか品質かの差異となった。
第四では自社事業の再評価を求めている。所変われば品変わるではないが、国内において衰退・需要低下の事業であっても、海外諸国によっては可能性を秘めている点を指摘。特に中国と東南アジアではプロモーションが、現地毎に大いに異なる点を留意されたい。
(了)
0コメント