Z会にみるオウンド メディア

【ビジネス考察】 小中高校生や大学受験向けの添削指導案内と予備校の紹介を事業とするZ会(代取:藤井孝昭)は、YouTube、Facebook、Twitter、Vine、Google+を運用している。動画「正直村と嘘つき村 The Honest Village and The Liar Village | Presented by Z-kai」は、昨年十二月に公開し三十五万回の再生回数を獲得。一昨年の二月に公開された動画『Z会 「クロスロード」 120秒Ver.』は、二百五十八万回の再生回数を獲得している。


前者の動画はハリウッドの映画の様な大変に凝った作品で、教育関連事業者のプロモーションとは思えない品質を確かめるコトができる。後者の動画は洗練されたショート物語り風なアニメで好感度が高い。FacebookとGoogle+は親権者を意識した広報的な情報更新が多く、Twitterは学生を意識したライブ感ある更新となっている。Vineでは、かなりエンタメ性の強い動画が投稿されている。



<思考・判断・表現力を養うべきは社会人>

 後四年後には大学入試のセンタ試験が廃止され、代わって「新入試制度」が導入される。同社は通信教育の中高一貫コースを進化させ、“二十一世紀型の資質・能力”を養う新講座をスタートさせる。「高等学校基礎学力テスト(仮称)」は三十一年度から、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」は三十二年度から。昨年に文科省より開示された『高大接続改革実行プラン』を参照されたい。今までの受験の概念と異なり、大学入試は高校一年生から実質、スタートする。


暗記力や知識力に併せて、論理思考力や判断力(短期・中長期)、表現力が問われる。予てより教育改革の大筋は伝えられていたので、同社は一般的な旧態の教育系プロモーションではなく、先に例示した動画で論理思考力・判断力・表現力を有すブランディングを行っていると云えよう。オウンド メディアの運用レベルが高い。尚、四年後からの改革なので、教育新体制の子どもの年齢は十四歳以下が対象だ。詰まり、現在の十四歳以下は新教育体制下で育つ。論理思考力・判断力・表現力を有す彼等が社会人になるのは、高卒で七年後、大卒で八年後となる。先輩たる社会人もオウンド メディアの運用で備えられたい。

(了)

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