スマホは人を馬鹿にするか?超言論ブース

【イベント ニュース】 平成二十七年四月二十五日に『ニコニコ超会議2015』内のブース「超言論エリア」にて「超・ディベートバトル ニコニコ論客VS最強ディベート軍団 Revenge」が催された。ニコニコ論客チームと最強ディベート軍団が議題に対し、その場のくじ引きで肯定派と否定派に分かれディベートを行うもの。スピーチは各々一分間を三回。先手の主張に対し、後手が反論。入れ替えて二回目。そして三回目は最後の主張スピーチとなる。


議題「スマホは人を馬鹿にするか」では、ニコニコ論客チームは、KADOKAWA・DWANGO(9468.T1)取締役の夏野剛が肯定派。最強ディベート軍団は、ザ・エンターテインメント・ディベート理事の高澤拓志が否定派となり、議論が始まった。

<ゲーム アプリと検索>

 先手となった夏野は、ネイティブ アプリの存在を挙げ、Google等の検索比率が低下している点に触れた。インターネットの最も良い点として、個人の情報収集力を格段に引き上げた事を強調し、この点を二〇世紀と二十一世紀の違いと主張。スマホの台頭によりネイティブ アプリの存在感が増し、ユーザがゲームに没頭している点を危険視。例として、二種のゲームで遊んでいるとコミュニケーションに弊害を来たし始めると訴えた。故に「スマホで人は馬鹿になっている」と締めた。


対する高澤は、Googleを使用しない事で考えを止めてしまう理由と馬鹿の定義が為されていない、と対抗。自身の主張は、“人口減少時代に生き抜く力をつける事が、馬鹿にならない事”と位置付けた。また、ゲーム依存は馬鹿になる事に結びつかないと断言。理由として、一つにゲーム依存は医学的な病気ではない点、二つにゲームと馬鹿になる事の因果関係がない点を挙げた。米調査会社のデータを例示し、スマホ アプリの使用頻度の順位は、ニュース・SNS・ゲームとスマホの有効活用実態を主張した。夏野への反論の締め括りとして、問題が生じても教育上で規制をかける事で解決に導く事ができると自信をみせた。

<スマホの有用性>

 続いて先手となった高澤は、知性のある人間の説明を行った。現代に求められる力は、膨大な情報を検索して迅速に取捨選択できる事と述べ、更にスマホの有用性を加えた。次にITリテラシとメディア リテラシの違いと両者の教育事実を挙げた。結びにスマホのSNSにより、自らの情報発信と共有が可能となった社会であると主張した。


対する夏野は、高澤の反論は自身のサポートになると感謝。検索とゲームの使用頻度と使用時間に焦点を当てた。後者は一度遊び始めると、極めて長いと。背景には、日本のアプリ数が世界トップ級であり、若年層程アプリに時間を割く点を挙げた。アプリは、自分の頭で考える事をしなくさせる可能性の大きさに言及した。また、一番大切な事として、検索時の思考とゲーム遊戯時の物語把握に触れた。常習性と時間拘束は「スマホはマトモな人を馬鹿にする」と反論した。



<親の警戒>

 ファイナル スピーチで高澤は、重ねて“馬鹿になる”の説明不足を指摘した。先の現代に求められる力を再び挙げ、ユビキタス社会の現況を伝えた。更に、夏野の雑誌インタビュを引用。スマホ等の情報共有の重要性を引き合いに出し、本議題の肯定の矛盾を突いた。最後に非正規雇用の時代にはスマホが必須である、と受け取れる発言をした。

対する夏野は、我が子にスマホを持たせるか否かの悩みから切り込んだ。スマホが個人と組織の関係性を変えたとしながらも、親権者が子のスマホ所有へ躊躇する理由を述べた。ゲームや不適切コンテンツへのアクセス防止が為されていない現時点では、「スマホは人を馬鹿にしてしまう」とやや強引に締めた。


ディベートの投票結果は、七十二.五%が夏野を支持し、ニコニコ論客リームの勝利とな­った。


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