【社会・人生考察】 シニア世代だけでなく中年にも綻びが生じている。所得の低下だ。獲得すべきは未来の仕事(収入源)。時代は所謂、普通の人材を求めなくなっている。普通の人材は、プログラムやロボットが代替する。現時点で高所得者のビジネスマンも油断はならない。三十代・四十代でミスをすると、一生取り返しがつかない。必ずキープする者は、強き者(ツテ)だ。
ダイヤモンド オンラインが平成二十八年二月十五日に記事『あなたは「逃げ切れる」か?50代会社員の憂鬱な現実』を配信した。シャープ(6753.T1)等に務めた五十代の現状を伝えている。
目の前に差し出された試算表を見て、目を疑った。すでに退職した人たちと比べて、退職金の額が実に2000万円近くも減額になっていたからだ
<三、四十代が五十代になる頃>
団塊世代が五十代であった頃と比較し、風当たりの厳しさは増している。然し当該記事では、五十代はまだマシな方と結論付ける。三十代・四十代は諸先輩から学ぶコトが多いだろう。十年、二十年後は現在の五十代よりも厳しい。
二十七年十二月には記事『老後に夢も希望もない!現役世代に忍び寄る「下流中年」の足音(上)』にて、貧困の高齢者が増える社会的理由を指し示し、中年の貧困が進んでいる事実を伝えている。こちらも先の記事と同じ様に、現在のシニアと現在中年の人がシニアになった時は状況が大きく変わっており、より厳しさを増していると断じる。
いざ会社員として復帰しようにも、なかなか再雇用してくれる企業はなく……。今考えると、4年前の決断は安易でしたね
<転職と家族が下流要因>
転職等を契機に下流化しているケースを数例挙げている。当該記事は上下に分かれている。下では、家族の存在に因る下流化のケースも記す。上下どちらも安易な判断と予想で行動してしまった点を指摘している。
二十五年十月には記事『「俺は会社に貢献している」は思い過ごしだった!?50代社員に対する若手・年下上司&会社のホンネ』で自己評価の高さに言及している。五十代をキャリアの最終分岐点と位置付け、彼等の思い違いを指摘。当該記事よりおよそ二年半後に“下流中年”なる言葉が出始めた。
30年・40年近く働き、様々な現場を経験し、企業貢献もし、能力も蓄積してきたはずの50代社員が、10歳・20歳年下の若手から、あるいは人事や経営者層からみて、その働きぶりに頼もしさや「いいね!」という感じが見て取れないとしたら、それは一体何のせいなのだろうか?
<ポジショニングと人間関係>
下流中年になる方法は簡単である。自身を高く評価し、未来を向こう見ず転職し、家族の人生プランをシミュレーションしないコトである。但し、強き者を得た五十代は異なる。その強き者の年齢は不明だが、未来を繋ぐツテである事実に他ならない。イマの五十代から見て、イマの三十代・四十代はよく働いているだろうか。彼等は良く働いたにも関わらず、“下流中年”のレッテルに怯える。それより働いてない者なら、より高い確率で“下流中年”になれるだろう。
最後はツテしかない。ツテは人生の最終カードだ。その時にそのカードを持っているか、否か。そのカードを必ず獲得しなければならない。イマの三十代・四十代にはそういった必死さが見えない。目先の金銭よりも、強き者のツテが遥かに大事だ。これは雇用主や雇用者に違いはない。一度、下流に堕ちれば、挽回の社会は用意されてない。墜ちかける前に手を打たなければならない。イマよりも十年、二十年後の社会は大きく異なる。それは十年前(十八年;FIFAワールドカップ™ドイツ大会等)や二十年前(八年;米大統領選でビル・クリントンが再選等)を振り返れば、理解できるだろう。
(了)
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