五輪は日本にとってプラスなのか?超言論ブース

【イベント ニュース】 平成二十七年四月二十五日に『ニコニコ超会議2015』内のブース「超言論エリア」にて「超・ディベートバトル ニコニコ論客VS最強ディベート軍団 Revenge」が催された。スピーチは各々二分間を二回。先手の主張に対し、後手が反論。入れ替えて二回目。そして三回目は最後の主張スピーチが一分間となる。


大勝戦の議題は「オリンピック開催は日本にとってプラスとなるか?」。ニコニコ論客チームは、実業家の堀江貴文が肯定派。最強ディベート軍団は、ザ・エ­ンターテインメント・ディベート理事の井上晋は否定派となった。

<日本のポテンシャル>

 先手のスピーチは、堀江。少子高齢化で人口減のトレンドである日本はインバウンド(訪日観光客)に注力すべき、と切り出した。その根拠を日本の歴史に据えた。二千年以上の培われてきた歴史・文化・伝統の、ポテンシャルに触れた。グローバル化で、世界に日本文化の知識等が開かれたと主張。現状は、観光への投資に不足があり不十分とも指摘。然しながら、東京五輪により投資の加速が期待される為、五輪を言い訳にし積極的な投資を行えると訴えた。その結果、インバウンドは増大するので五輪開催はプラスであると帰結した。


反論の井上は、先に明確にすべきは「五輪は誰の為なのか?」と切り込む。日本の文化が五輪により駄目にする可能性に触れた。“五輪経済性”に言及し、持ち込んだグラフで一時的な景気上向きと当以降の下向きを立証。インフラ等の設備投資が、五輪後に経済を圧迫すると主張し、「一時的なモノを造る為に高い買い物を強いている。」と反論を締めた。

<金にまみれた五輪>

 後手のスピーチは、井上から。再度、「五輪は誰の為なのか?」と問うた。五輪のTV放映権は増加の一途を辿り、二千億円が動く点を指摘。米国が有す五輪の放映権を引き合いに出し、五輪の試合時間が米国優先になっている事実を突き付け、“お金の為の五輪“を危惧。主役である選手に迷惑を掛けながら、開催する五輪へ疑問を呈した。更に堀江が主張した日本の文化を五輪は、踏みにじると訴えた。商売主義にまみれた五輪への加担により、インバウンド増加を果たしても日本国にとってマイナスであると帰結した。


堀江は、井上のグラフへの反論から始めた。グラフの期間が短く、長期的な景気データが抜けている点を、先の東京五輪後の高度経済成長を挙げ否定した。次に井上の間違った解釈を指摘。堀江の言った“言い訳”は機会の契機を意味し、井上は話しをやや曲げていると述べた。また日本の二千年超にわたる文化は、外国文化の受け入れによる“マッシュアップ”の効果の賜物(新文化の創出)と論ずる。来る五輪開催のインバウンドにより、日本国が良くなるか否かの議題のポイントを問うた。異国文化との融合で日本国は良くなると、反論を締めた。

<今までとこれからの日本>

 最終スピーチで井上は、東京五輪獲得の為のIOCへの接待費が四日間で六億円と問題視。金にまみれながらの日本への誘致は、日本人の勤勉さ・正直さを失うと訴えた。

対する堀江は、五輪の経済効果は接待費を優に凌ぐと投資対効果で反論。リーマンショックや東日本大震災でインバウンドが低迷した中、東京は五輪決定後に回復をみせている、と。五輪招致は日本に良い結果をもたらすと主張した。


結果は、堀江が七十.七%の支持を得て勝利を飾った。


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