多様な働き方を許容できる企業が生き残る

【ビジネス考察】 平成三年から始まった“失われた二十年”。日本は製造業中心・終身雇用の会社制度から脱却できずにいる。仮想世界の台頭とグローバル化は、働き方を大きく変える。そして遂に昨年から働き方の空気が変わってきたと、二十八年二月二十三日に配信された記事『大企業でももうすぐ起きる、働き方の変革。「自立」と「社会参加」がキーワードに/ダイヤモンド社』内で、サイボウズ(4776.T1)の代取である青野慶久が語った。


当該記事では、東京糸井重里事務所のCFOを務める篠田真貴子が相手方となり、働き方は自身が主体的に選ぶ、と帰結。背景には、ITを地盤とした技術の進化、少子化による新卒者減、TPPを目前に控えたグローバル化等がある。それに併せて、四十代と五十代の両親の医療・介護の問題、二十代と三十代が巻かれる非正規の波と子育て。イマのままの働き方で上手くはイカナイだろう。




<女性の快適を重視できるか>

 当該記事でも触れている通りに、柔軟性と風土(企業及び行政)が問われる。合議制や擦り付けではなく、圧倒的なトップダウンが組織を変え、働き方が多様化する。事実、合議制を重視する大企業は軒並みに成果が芳しくない。中小・零細企業はトップダウンを行い易い組織なので、代取の力強さと度量がモノを云う。仕事にヒトが合わせるのではなく、ヒトが仕事を創り出していく。この柔軟性と風土が勝者の条件か。


青野代取は、何年も前から働き方を意識していた。東証一部上場企業の堅い雰囲気が本社にはなく、空気が柔軟性に溢れていた。特に女性社員の雰囲気が他社と異なる。政府も推していた女性活躍もかなりトーンダウンしている。管理職の目標レベルも、三十㌫から七㌫に落とした。それは女性の働き方を、男性のシステムに押し込むからではないだろうか。男性の管理職や管理職候補が、女性の躍進を忌避するからではないだろうか。イマの軟弱な男性(青年・壮年・中年・高年)だけでは、“失われた二十年”が三十年になってしまいかねない。打開策は女性の快適な働き方だろう。恐らく、それは男性にとって不快であろう。抜きんでる企業はどこか。

(了)


写真:報道府



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