【ビジネス ニュース】 平成二十八年二月二十六日に経産省(大臣:林幹雄)は、「イノベーション100委員会(座長:安藤国威;元ソニー代取)」のレポートを公表した。本レポートは、参加者の共通見解「イノベーションを興すためには、経営者の積極的なコミットメントが不可欠である」を示し、経営者がイノベーション興すタメに百の問答法へ纏め、同日に開催されたイベント「新事業創造カンファレンス&Connect!」で発表された。
<イノベーションを興すための経営陣の五つの行動指針>は以下の通り。
- 変化を見定め、変革のビジョンを発信し、断行する
- 効率性と創造性、二階建ての経営を実現する
- 価値起点で事業を創る仕組みを構築する
- 社員が存分に試行錯誤できる環境を整備する
- 組織内外の壁を越えた協働を推進する
本レポートは、四十頁に纏められている。最初の問いは「企業にイノベーションを興すのは誰の仕事か?」で、答えに「それは、経営者の仕事である。」と。こちらの問いは根本的な問いで百には含まれない。参加した大企業の経営者は、十七名(画像各社HPより引用;左上より右に昇順)。
- アサヒグループHD(2502.T1)代取:泉谷直木
- ANA HD(9202.T1)代取:片野坂真哉
- NTTデータ(9613.T1)代取:岩本敏男
- KDDI(9433.T1)取締役:小野寺正
- コクヨ(7914.T1)代取:黒田英邦
- コニカミノルタ(4902.T1)代執:山名昌衛
ソニー(6758.T1)代執:平井一夫
第一三共(4568.T1)代取:中山讓治
- 電通(4324.T1)代取:石井直
- 東京急行電鉄(9005.T1)代取:野本弘文
- 東レ(3402.T1)代取:日覺昭
- 日本電気(6701.T1)代取:遠藤信博
- 富士フイルムHD(4901.T1)代取:古森重
- 三菱地所(8802.T1)取締役:杉山博孝
- 三菱重工業(7011.T1)取締役:大宮英明
- 三菱UFJ FG(8306.T1)代執:平野信行
- LIXILグループ(5938.T1)取締役・代執:藤森義明
=解説=
主として大企業からのイノベーションに焦点を当て纏められているが、中小企業等も参考になる点が多い。十七社の代表の金言や「イノベーションを阻む五つの課題」は、どの様な企業にも通用する内容であろう。百の問いは、先の<イノベーションを興すための経営陣の五つの行動指針>でブロック分けされている。一つの行動指針毎に二十の問いがある。
FPhimeとしての本レポートの使い方は、まず役会を構成する全取締役がこの百の問いに答え書き記すコトから始まる。全取締役の答えが揃ったら役会で突き合わせる。現代の中小企業等においてはワンマン性が重要なので、代取の答えが軸となる。各取締役が代取にどの程度合っているか、近いか。合ってなくとも、そこに機会(可能性)はないか。イノベーションは大企業より中小企業等が興し易いので、大企業が活用し浸透する前に本レポートを活用されたい。
(了)
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