財務分析が自動化、自社の業界平均との差が一目瞭然に

【ビジネス ニュース】 経産省(大臣:林幹雄)が平成二十八年三月四日に情報更新し、経営状態を把握するタメの診断ツール『ローカル ベンチマーク(ロカベン)』をEXCEL形式で、ツールの利用マニュアルをPDF形式で公表した。『ロカベン』を利用(数値入力)すると、自社が業界平均からどの程度に乖離しているかを把握できる。業界平均の基となるデータは、国内最大手の信用調査会社である帝国データバンク(代取:後藤信夫)から七万社を分析対象とした。業種は全十一業種(建設、製造、卸売、小売、飲食、不動産、運輸、エネルギ、サービス、医療、観光)。


分析対象は大別して二つ。「財務情報」の六指標と「非財務情報」の四視点だ。前者は① 売上高増加率(売上持続性)、② 営業利益率(収益性)、③ 労働生産性(生産性)、④ EBITDA有利子負債倍率(健全性)、⑤ 営業運転資本回転期間(効率性)、⑥ 自己資本比率(安全性)。後者は① 経営者への着目、② 関係者への着目、③ 事業への着目、④ 内部管理体制への着目となる。これらを以って、自社の経営状態を視覚化し、対金融機関等へアピールするコトができる。




 また七日には、マネーフォワード(代取:辻庸介)が『ロカベン』を簡単に利用できるツール「財務指標(β)」の提供を四日から開始したコトを発表。国内初の取り組み。ビジネス向けクラウド型会計ソフト「MFクラウド会計」内にて無料で利用できる。特徴は、以下の通り。


  • MacでもiPad、Windows XPでも使える。クラウドなのでバックアップも万全、アップデート不要
  • 銀行やクレジットカード等の取引情報を自動取得。さらに自動仕訳ルール学習で入力の手間を削減
  • 他の会計ソフトからの乗り換えも簡単。充実したデータのインポート・エクスポート機能
  • 必要な会計帳簿、決算書、確定申告書を始めとした経営に役立つレポートを自動作成
  • 複数人でリアルタイムにデータを共有。社員間や社外の税理士とのコミュニケーションが容易に




=解説=

 本業務(財務・非財務情報の分析)は、経営コンサルタント(中小企業診断士、税理士、公認会計士、ファイナンシャル プランナ)等の専門性が高い範疇で安くない費用が企業に掛っていた。通常は貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)を作り、分析する知識がなければならなかった。内、財務分析の自働化はより進んでいくと思われる。キャッシュフロー計算書や企業が行う投資(フィンテック ツール等)に関するコトも自動化の当面の対象だ。


詰まり、初心者でも経営(本業)に集中できる。こういったツールを利用すれば、財務会計の知識は初めなくともベンチマーク(業界平均)へ近づける仕組みだ。特に『ロカベン』の「非財務ヒアリングシート①・②」が重要だ。数値を分析するダケでは、改善するタメの原因へ追究しにくい。然し、同シートへ文字化するコトにより、自社の「SWOT分析」と「差別化」が図られるだろう。

(了)

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