日体大のパラ馬場馬術・吉越奏詞 選手ら十一名に奨学金

【スポーツ報道】 日本財団(会長:笹川陽平)は、平成三十一年四月十六日に東京・桜上水「日体大」にてパラアスリート奨学金授与式を行った。


この制度はパラリンピック等の世界レベルでの活躍が期待できる選手を対象に、二十九年に設立。奨学生の学費や寮費等の活動に係る資金を支援してきた。三期目となる本年。韓・平昌パラリンピックに出場した日体大・一年生のアルペンスキー・髙橋幸平選手ら日体大系列各校に所属する計十一名を選出。授与式には、笹川会長(己卯)や日体大・松浪健四郎(丙戌)理事長らが出席し、選出選手に激励の言葉を贈った。


 笹川会長は選手らに対し、「これまでの艱難辛苦を乗り越えた努力の賜物。」と称えた。今後の選手としての活躍を期待すると同時に「日本では、まだまだ障害者の指導者は不足している。これを糧に先ずは、それぞれの種目で努力をし、経験を生かし、将来は後を継ぐ人達の為に素晴らしい指導者になって欲しい。」と選手としての功績、指導者としての活躍を期待した。


昭和三十九年の東京五輪で活躍したレスリング・バンタム級の銀メダリストのトルコのフサイン・アクバス選手を、松浪理事長は例に挙げた。フサイン選手は、小児麻痺による障がいで左足が不自由であるにも拘らず、世界選手権を四度制。国際レスリング連盟殿堂入りを果たし、大きなハンディを押しのけて努力する事の大切さを述べた。「系列に特別支援学校をもつ私立大学は本学のみ。全ての人がスポーツを楽しむ権利もつ、これは本学の哲学。国民に多くの感動を与えると共に、多様性を容認できる共生社会の実現に向けて大きな貢献ができる人材・指導者となるべく、一生懸命努力して欲しい。」と期待を寄せた。


奨学生を代表してパラ馬場馬術の吉越奏詞(庚辰)選手は「馬や支えてくれた方々への恩返しがしたいと思い、東京パラリンピックを目指す様になりました。東京パラリンピックではメダルを取れる様に頑張り、将来は障害者でも気軽に馬に乗れる環境をつくりたい。」と強い決意を示した。


十七年度(第一期)は十九名、十八年度(第二期)は八名を選出。総人数で五十名を予定しており、来年度も継続する。十九年度(第三期)の十一人は以下の通り。

  • 車いすバスケットボール;三元大輔(日体大大学院一年・疾病による右下肢機能障害)、赤石竜我(日体大一年・両下肢機能障害)
  • 卓球;友野有理(日体大一年・脳梗塞による右半身麻痺)
  • デフサッカー・フットサル;宮城実来(日体大一年・聴覚障害)
  • 陸上;笹原拓歩(日体大一年・二分脊髄症による両下肢麻痺)、吉田知樹(日体大一年・先天性右けい骨欠損)、新保大和(日体大一年・脳原性まひ)
  • 陸上・シッティングバレー・パラカヌー;湯口英理菜(日体大一年・両膝関節部欠損)
  • アルペンスキー;高橋幸平(日体大一年・脳性まひによる右半身機能障害)
  • パラ馬場馬術;吉越奏詞(日体大一年・脳性まひによる脳原性上肢機能障害)
  • スピードスケート;東里樹(日体大付属高等支援学校三年・知的障害) 

撮影記事:岡本早百合

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