FPの“お金のルール”を経営に当てはめると

【ビジネス考察】 FP(ファイナンシャル プランナ)という仕事は、税理士と異なり顧客の資産を増やし守るコトを第一の職務に置く。記事「FPが伝授!上位2%のお金持ちがいつも守っているお金のルール/ザッパラス」では、書籍「使えば使うほどお金が増えるお金の使い方/中桐啓貴」から“一代でお金持ちになる人”が守ってい絶対ルールを載せている。絶対という表現は非常に懐疑的であるが、著者の中桐がFP法人ガイア(写真引用)の代取を務め、ビジネス系メディアにも取り上げられている点より考察に値する。



FPは個人でなく法人も顧客にもつ。個人でも法人でもある程度の連関性がある。先ず、当該記事が挙げている八ルールを挙げる。


  1. お金を増やす「習慣」をつける
  2. 今の預金残高は気にしない
  3. お金がないうちから貯蓄をがんばりすぎない
  4. 自分のお金で社会の変化を感じる
  5. 月収の五%は自己投資する
  6. 目標をわかりやすく言い換える
  7. 自分に還ってくる「生き金」を見極める
  8. 浪費を「投資的」に使う



次にこれを経営的に修正する。


  1. お金を増やすビジネスを「習慣的」に行う
  2. 今の現預金残高から中長期計画を練らない
  3. 売上高が低いのに、内部留保を増やし過ぎない
  4. 会社のお金で社会の変化を感じる
  5. 収益の五%は自社投資する
  6. 目標をわかりやすく言い換える(無修正)
  7. 自社に還ってくる「生き金(ビジネス)」を見極める
  8. 販管費を「投資」に変える




=解説=

 1.は経営上において根本的な商売のコトであるが、零細・小規模事業者は近視眼的になりがちだ。目先の仕事に気を取られてしまい、こちら「習慣化」してしまっている。特に取締役が利益を生まない庶務を行ったりしている。取締役は利益を生む仕事に集中すべきだ。

2.は前項に同じ、目先の現預金を前提としてはならない。特に中長期(三から五年、五から十年)計画では、現在の現預金の残高から目を離す必要がある。さもないと成長にブレーキを掛けてしまう。

3.は現預金を貯め込み過ぎて、成長(投資)のチャンスを見失ってしまうコトだ。現在、政府が指摘する様に大企業でも内部留保を貯め込み過ぎている。然し、どこに投資して良いかの判断ができなくなってしまっている。貯める技術と増やす技術は異なる。そうならないタメに増やす技術を常に養う。

4.は流れゆく経営環境を理解するタメに、会社がお金を使う。当該記事では海外視察を例に出した。他にもSNSへの出稿等、新たな挑戦で知見を養うコトを示唆している。その際に即、利益とはならないコトを肝に命じる。



5.投資は、計画的に意図的に機械的に行う。どの様な投資でも統計が必要だ。統計がなくば、効率的・効果的は存在しない。「他社の統計は自社に当てはまらない」との前提を持った方が良い。ランダムに投資をすると、統計を分析する際にややこしくなる。投資なくば成長はしない。

6.これは社員やビジネス パートナ、いわゆるステークホルダに向けて、分かり易い目標に言い換えるのだ。大抵、取締役の話しや価値観は、他者にとって分かり難い。

7.はリターンだ。短期と中長期に分ける必要がある。二、三年ばかりのリターンを狙っていては、しっかりとした成長の土台が作れない。リターンを統計しないのは、もっての他だ。

8.現代において、最も重要な勘定項目は「人件費(ヒト)」だ。これを“人財”に変える一手間が取締役に問われる。ヒトをロボットの様に考える取締役は、未来に窮する。ヒトを会社の重要な資産と見做し、育てる取締役は未来に栄える

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