【社会報道】 日本政府(総理:安倍晋三)は、令和元年八月十五日に日本武道館にて『全国戦没者追悼式』を開催。即位後初となる天皇皇后両陛下のご臨席を仰いだ。三権の長や各政党代表、国会議員等が参列。遺族の参列者数は約五千人。戦後から七十四年。陛下も含め、戦後生まれの世代が三割を占めた。戦没者数は一般邦人を含めて約三百十万人。
正午の黙禱後に天皇陛下(庚子)は標柱に向われ、お言葉をお述べになられた。
「本日、『戦没者を追悼し平和を祈念する日』に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。
終戦以来、七十四年。人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。
戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、ここに過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り、戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。」
陛下は、令和最初となる追悼式にて先帝のお言葉をご継承なされた。だが、一部で表現をお変えになられた。太字は文言の変更、ないし追加が六ヶ所。下線は文言自体は変更せず、順番の変更が二ヶ所。計八ヶ所をお変えになられた。
八は日本において重要な数である。八百万神、皇室の紋章「菊花紋章・十六八重表菊」等。伯家神道の秘儀継承者である七沢賢治の「言霊設計学」によれば、八(や)は「人々に富を分配することを意味しており、豊かさが広がっていく状態を表わしています。」となる。報道機関各社も陛下のお言葉を“未来志向”的と表現。特に「深い反省の上に立って(深い反省と共に)」は次の段階に進むという意味において象徴的だ。
また遺族代表の追悼時に両陛下はお顔だけではなく、お身体も向きを変えられ、時折、頷きながら最後までお聴きに入れになられた。
天皇は国の為に行う宮中祭祀が主である。陛下は十月の『即位礼正殿の儀』を以って百二十五代に亘る天皇を継ぐ。本儀は西洋の戴冠式に同じ。本年は西暦に六百六十年を足した、皇紀二六七九年。世界で最も古い王朝『神武朝日本』は、五・八・十月を経て真に新たな時代《令和》へと入る。
記事:金剛正臣、撮影:岡本早百合
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