大阪・名古屋・新潟の三市、『総合区』へ

【ビジネス・政治ニュース】 平成二十八年五月十五日に毎日新聞は記事『「総合区」検討3市のみ 大半「利点ない」』を配信し、大阪市(市長:吉村洋文)と名古屋市(河村たかし)、新潟市(篠田昭)以外の十七政令指定都市(以下、「政令市」)が『総合区』制度の導入に否定的である事を報じた。『総合区』制度は、本年四月の改正「地方自治法」により政令市が導入可能になった。政令市の数的条件は、法定人口が五十万人以上である。


『総合区』は、政令市の行政区を格上げするもの。行政区長を地方公務員の一般職から特別職(議会の承認)に変え、大幅に権限を強める。現在の行政区長は、政令市長の補助機関(職員)という位置付けだ。東京二十三区の「特別区」とは、異なる。「特別区」は、一地方自治体として各種契約を締結できるが、現在の政令市における行政区は市の下部組織に過ぎず、単体での契約締結ができない。前者は区議会があり区長を選挙でき、後者は区議会がなく区長を選挙できない。詰まり、『総合区』の長は政治家で、政令市の行政区の長は職員という違いだ。




<ビジネスへの影響>

 今回、前向きに『総合区』を検討している大阪市と名古屋市、新潟市は、グローバル戦を前提に二十一世紀の地方自治の在り方を検討している。国家戦略特区では、大阪府(知事:松井一郎)が関西圏として「 医療等イノベーション拠点及びチャレンジ人材支援」に、愛知県(大村秀章)は「教育・雇用・農業等の総合改革拠点」に、新潟市は「大規模農業の改革拠点」に指定されている。愛知県に至っては、国内随一の宇宙・ロボット産業の拠点になっている。


自社が主体であるならば、この戦略特区内で起業ないし移転する事で最大の利益を得るだろう。情報等の集積による生産性の最大化だ。例え主体でなくとも、パートナ探しは各戦略特区内から選定する事が安易になる。その際に、地方自治体のビジネス補助の程度で成果に差が出るであろう。政令市内で人口二位・大阪市は二十四区、三位・名古屋市は十六区、十五位・新潟市は八区。一人の市長でグローバル戦を闘うには、現実的に「スパン・オブ・コントロール/経営学」を超えている。職員ではなく、市長を中心とした優れた政治・ビジネス チームが必要とされているのではないか。




=解説=

 現状の各行政区数で『総合区』を導入するかは、まだ未定だ。導入に至らないかもしれない。但し、その際は市長一人でビジネスを主とした市内を看なければならない。国際競争から大きく外れる羽目に陥る。一重に医療・教育・農業といっても、範囲は多岐に亘る。市内で適材適所、選択と集中した方が効率的で運用及びPRが容易になるだろう。但し、大阪市は、「大阪都構想」との選択になる可能性がある。


ハイムのユーザは都市在住が多い。三市で声を上げられたい。さもなくば「大阪都構想」の時の様に、既得権益やシニアの反対で、旧式の行政でビジネスを行わなくてはならなくなる。それはある者には安定であるが、ある者には希望が無い事に他ならない。

(了)




0コメント

  • 1000 / 1000