【ビジネス ニュース】 平成二十八年六月八日に経産省(大臣:林幹雄)は、内閣官房や文科省等と連携し「新日本版イノベーション・エコシステム」の構築を進める為に『グローバル・ネットワーク協議会(事務局長:黒岩理)(画像引用)』を設立し、九日に発足した。同協議会は、地域企業のグローバル展開等を支援し、地方からのイノベーションを目的とする。ドイツ型・米国型ではない、日本独自のエコシステムである点がポイントだ。
イノベーションは革新を、エコシステムは生態系を意味する。詰まり、革新の為の大システム(生態系)を創る、という事だ。同協議会を事務局として、日本のトップランナに位置付けた二十五名(後述)による「グローバル・コーディネータ」も組織。地域企業の事業化戦略の立案や海外販路開拓等の約二百のプロジェクトをサポートし、地域企業の優れた技術を世界市場に繋ぐ。経産省は同コーディネータ達を「かつてない強力なメンバ。」と自負。
=解説=
日本の国内総生産は近年横ばいにも関わらず、税収(法人税・所得税)が大幅に下降している。総生産は大企業が牽引するものの、イノベーションを起こしにくい。中小企業はイノベーションを起こせるが、行政及び民間のバックアップが弱く、日本経済の発展に寄与してない。日本の成熟社会を維持する為には、税収増を実現しなければならない。大企業群も「イノベーション百委員会」等で攻勢を仕掛けるが、成果に乏しい。やはり中小企業以下のイノベーションを育む仕組みが必要なのだ。
その為に国が「新日本版イノベーション・エコシステム」を仕掛ける。二十五名中、未上場企業に投資を行うベンチャ キャピタル系が三名、大学教授系が六名。コンサルタントと元ベンチャの経営者らが数名並ぶ。その下部に「ローカル・コーディネータ」を設ける。懸念点は、上図を視る限りで“上意下達”的な構図になっている点だ。従来の“上から下”へのフロー(流れ)であるならば、このエコシステムは失敗に終わるだろう。イノベーション(革新)を育てるというものは、“下から上”に伸びる革新を周囲でサポートするものだ。とどのつまり、真中に革新者がいるか否かで、イノベーションの成否(大成ないし朽敗)が決する。
コーディネタのシニアらはこれに気がつけて、サポートを実現できるか。以下に「グローバル・コーディネータ」二十五名を記す。
- 浅倉 眞司 GEインターナショナル・インク グローバルリサーチセンター 日本代表
- 朝倉 陽保 株式会社丸の内キャピタル 代表取締役社長
- 阿部 康行 住友商事株式会社 顧問
- 伊佐山 元 WiL, LLC 共同創業者CEO
- 石倉 洋子 一橋大学 名誉教授
- 上田 学 米国 Mode, Inc. CEO
- 江川 雅子 一橋大学大学院商学研究科 教授
- 梶川 裕矢 東京工業大学環境・社会理工学院 准教授
- 金子 恭規 Skyline Ventures, Managing Director
- 仮屋薗 聡一 一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会 会長
- 川西 哲也 早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 電子物理システム学科 教授
- 國井 秀子 芝浦工業大学大学院 工学マネジメント研究科 教授
- 小池 聡 ベジタリア株式会社 代表取締役社長
- 小林 いずみ 多数国間投資保証機関(MIGA) 元長官
- 角南 篤 政策研究大学院大学 教授
- 高橋 智隆 株式会社ロボ・ガレージ 代表取締役社長、東京大学先端科学技術研究センター 特任准教授
- 冨山 和彦 株式会社経営共創基盤 代表取締役CEO
- 西川 徹 株式会社Preferred Networks 代表取締役社長 最高経営責任者
- 西口 尚宏 一般社団法人Japan Innovation Network 専務理事
- 西澤 民夫 一般社団法人オープンイノベーション促進協議会 代表理事
- 外村 仁 First Compass Group General Partner/エバーノートジャパン 会長
- 程 近智 アクセンチュア株式会社 取締役会長
- 御立 尚資 株式会社ボストン コンサルティング グループ シニア・パートナー&マネージング・ディレクター
- 森 健 株式会社ローランド・ベルガー エグゼクティブ アドバイザー
- 森 雅彦 DMG森精機株式会社 代表取締役社長
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