今の十八歳は社会貢献欲を重視、女子は“容姿”が“成績”を逆転|文科省『二十一世紀出生児縦断調査』

【教育報道】 文科省(大臣:萩生田光一)は、令和二年八月二十八日に第十八回『二十一世紀出生児縦断調査(平成十三年出生児)の結果』を公表した。


今回は平成三十一・令和元年の調査結果。調査時点での子どもの年齢は十八歳(高三相当)。同一客体を対象に、学校教育から就業に至るまでを毎年調査し、出生時からの縦断データを整備する事が目的。教育に関する国の諸施策をチェックする。

回答者数は、二万四千六百五十四人。


家庭での会話につき、全体を通じて父よりも母と会話している状況が視られた。前回に比べて「将来や進路のこと」を親と会話を「よくする」者の割合が増。特に母と「よくする」割合が高い状況となった。父とは五割が、母とは三割前後が会話を「あまりしない」「全くしない」。



<成績は後回しのトレンド>

 悩みや不安につき、「進路に関すること」が男女とも最も回答率が高い。割合は前回に比べてやや減。男子は四割弱、女子が五割弱。男女とも前回で二番目に回答率が高かった「学校や塾の成績に関すること」について割合が減。男子は一割強、女子が二割。


男女とも「自分の容姿に関すること」の回答率が、十三回(中一相当時)以降で毎回増加中。女子では四割弱の「進路に関すること」に次いで、遂に二番目に高い項目となった(二割)。「学校や塾の成績に関すること」は前回比で一割以上減。今後も“成績”より“容姿”を重要視するトレンド。男子は一割未満だったものの、増え続けている。


 在学者の勉強時間(休日)の変化につき、三時間以上の勉強者が増。四割弱で、これまでの調査で最高。他方、「しない」者も前回よりもやや増。三割で、最高。同省は二極化の傾向と視た。


進学希望別で、大学・大学院への進学希望者は、六時間以上の勉強者が前回より大幅増。大学希望で二割以上、大学院希望で四割の急増。他方、他の進路者では勉強を「一時間未満」と「しない」者の割合が増。五割を超えた。



“生きる為の欲”よりも“承認されたい欲”が増

 将来の針路につき、男女共に「大学卒業後に働くことを考えている」が五割超で安定期。高卒等の後に働く事は男女共に三割が検討している。


就きたい職業の決定状況につき、既に職業を決めている者の割合は、十六回(高一相当時)以降で男女共に年々増。これまでの調査で最高となった。男子は六割弱、女子が七割弱。


 その職業に就きたい理由につき、 男女共に「自分の興味や好みに合っているから」「自分の能力や適性が生かせるから」「社会や人のために役立ち、貢献できるから」の順となった。十五回(中三相当時)と比べ、男女共に「自分の興味や好みに合っているから」がやや減。「失業のおそれがないから」がやや増。男女共に二割弱へ。


「高い収入が得られるから」は男女共に二割。と経済欲が弱い。「地位や名声が得られるから」も一割未満となった。


進学を希望する分野につき、社会科学(法学、経済学、教育学、政治学、社会学等)が男女ともに三割と圧倒的で、次いで工学が二割となった。


画像:第18回21 世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の結果/文部科学省

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