ニュース媒体選びもリカレント教育の時代へ

【人生・教育・社会考察】 ニュース アプリの登場で、人々はニュースをよく読む・見るようになった。ニュースとソーシャル メディ アは欠かせない存在だろう。


いったい、私たちはどれだけ時間を費やしているのか。


情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査(令和元年)/総務省」によると、平日・休日の合算平均で動画系(TV・ネット・DVD)では、四時間/日も接触している。ネット平均利用時間では十代が三時間強、二十代は二時間強、三十代は二時間弱、四十代は二時間となった。


新聞・ニュース サービスでは、十代はソーシャル メディア経由が、二十代・三十代・四十代はポータルサイト経由が首位。四十代のみ新聞を二人に一人が読んでいる(五十代以降は含まない)。キュレーション サービス(ニュース アプリ)も安定的。実際はキュレーションではなく、アグリケーションと言う。総務省の誤り。

ここまではコロナ前。


コロナ後には、二年六月にスカパーJSATがネット調査。TVの視聴時間が増え、内、ニュース・報道番組が四割もコロナ前と比べて増えた。


最低でも若手は四時間は媒体(メディア)に接している。毎日だ。一年で一千四百六十時間、六十日、二ヶ月間。一年で二ヶ月間みっちり。充分にリカレント教育できる時間だ。中期の三年なら、半年間。五年なら十ヶ月間。長期の十年なら二十ヶ月間毎日みっちり分。



<その媒体は何を意識しているのか>

 昭和時代には新聞と本で人生が変わった。何をインプットするかで人間が変わるからだ。令和時代には間違いなく、ニュース媒体と本のインプット次第で人生が変わる。本質は変わっていない。ここではアウトプットの仕事と対話(傾聴と持論のブラッシュアップ)は含まない。


TVは主にシニア・主婦層向けなので、中継など以外はスピードが遅い。早送りや検索もできないので、若手の学びに向かない。あくまでもエンタメ。ニュース アプリは、雑感的な使い方がベスト。時事の大枠やちょっとしたヒントを掴むのに最適だ。そして重要なのは、真のキュレーション サイト。


ターゲットを明確にし、方向性がはっきりしているニュース サイトだ。検索キーワードの閃きがものを言う。


例えば、ハイムは若手向け、且つ高所得者・新富裕層向け(エリートになりたい人を含む)に、富裕層として知っておくべき国の情報(知識)や最新ビジネスの前線、生き方などを報じている。高級媒体。知らないと一瞬の成金で終わる。一瞬成金は、数年間だけ所得が高く、ニュースを軽んじる。富裕層は長く安定的に、高品質なニュースを得ている。


映像媒体「bizlinTV」も全国に先駆けてアーカイヴ専門で立ち上げた。富裕層は過去を重んじる。目先だけのフラッシュ ニュースや芸能は取り上げない。少なくとも数年以降を意識して取材している。高級媒体。画質ではなく、中身。


一般のニュース アプリに方向性は無い。一般の動画チャンネルにも方向性は無い。ただの寄せ集めなので、そういったものをアグリケーションと言う。キュレーションとは、博物館などで期間限定で行っている展覧会のように一つの方向性をもって集め、ある意味を見出す、創り出すもの。


エンタメという娯楽は欠かせない。ただ、毎日四時間もエンタメは長すぎないか。だから、遊びながら学べるニュース媒体でリカレント教育(自身のバージョンアップ)をする。



人生の宝探し

 このように一般のニュース アプリなどは誰かの儲け主義なので、その点は意識しておく必要があるだろう。基本的に方向性は無い。信念も無い記者(バイト感覚の記者)も現場には多くいる。賃金分未満しか仕事をしない者を“バイト感覚”という。


例えば、新聞で「神社新報/神社新報社」というものがある。文体が旧い。八月十七日の一面記事の一つに「宮中皇霊殿と山陵で明治天皇例祭の儀」がある。一節を抜く。

明治天皇の崩御日である七月三十日、宮中三殿の皇霊殿と京都市伏見区の伏見桃山陵(明治天皇山陵)で、それぞれ例祭の儀が執りおこなはれた
天皇陛下には黄櫨染御袍を召されて午前九時に出御され、内陣の御座に著かれて御拝礼遊ばされた


いかがだろうか。黄櫨染御袍は「こうろぜんのごほう」、著かれては「つかれて」と読む。他にも扱いを「扱ひ」、見据えて「見据ゑて」と堂々と旧仮名遣いで記事を書いている。紙面に並ぶ広告も面白い。決して、一般のニュースアプリには掲載されない記事、ないし媒体だ。


リカレント教育で何を学んだら良いか。わかりやすいのは、技術の知識。法学や経営学、工学など。だがニュース媒体では、新たな知見を学ぶ。その知見が溜まった時に、行動経済学や芸術経営学などの新学問が生まれる。人の行動というニュースが先、学問が後。最先端の生の知見を学ぶリカレント教育と学問として学ぶリカレント教育。この二点の軸(先と後)は欠かせない。


真のニュース媒体(非・フラッシュ ニュース)の知見は、学問の様に体系立ててないので、わかりづらい。掴みづらい。だが、感性の合う媒体を見つけて、習慣化すると英語のようにある時、視界が拓けるだろう。


自身の感性に合ったニュース媒体を探せるか。これは人生の宝探しでもある。


記事:羽田野正法






0コメント

  • 1000 / 1000