凝縮(ゆとり)世代の逆襲、始まる

【社会コラム】 ゆとり世代、ハイムでは差別的な表現を控え、「凝縮世代」という。凝縮世代は第四ゆとり。社会人となって、数年が経った。諸先輩方は、彼らの能力の高さに戦々恐々としている。それはジャッチメント(審判)の能力だ。今まで上の世代から馬鹿にされつつもイナしてきた凝縮世代。彼らの逆襲が始まった。「実力のない者は舐めて、良し。」の価値観。上の世代は覚悟せよ。


先月まで放送され、現在でもVODサイトで配信されているドラマ「ゆとりですがなにか/日本テレビ」。その流れに則ったバラエティ番組。凝縮世代は、ネタにされてきた。が、しかし流れは変わりつつある。記事「ゆとり世代にナメられる上司・先輩の特徴/小学館」は、的を射てる。凝縮世代は、現実社会において表現が控え目だ。これは生物学的に生き残るタメの手段だ。不用意な発言を殺し、仮想世界でいつでも消去が可能なアカウントで自己表現を行う。心を許し合ったと認めるに足りる場合のみ、本音を少々打ち明け、それでも様子をみて、発言を行う。




<舐められる基準>

 ポイントは、現実社会ではジャッジメントに徹した能力が、尋常でない程に高いコトだ。当該記事では、ジャッチメント三項目を挙げている。


  1. イタいか否か
  2. その人の周囲からの評価はどうか
  3. 集団でいる時のその人の立ち位置はどこか


もう、今までの年功序列・過去の栄光では、彼らとコミュニケートできない。凝縮世代は、実力を認めた相手には力を発揮するが、舐めた相手には格下と見做し、最低限の生返事で全てを処理する。そう、格下へは“処理”だ。一は、単純で馬鹿キャラか否か。調子者や馬鹿キャラは、空気や部下と見做す。ニは、評判だ。SNS等の発達を担った凝縮世代は、評判に敏感だ。悪い評判の者は排除し、良い評判の者を査定対象にする。三は、完全なる実力だ。ビジネス力(売上高等)、政治力(リーダシップ)を勘案する。



一度、舐められたら覆らない

 彼らは尊敬の念を抱いた時に、その大いなる力を発揮する。故に凝縮世代だ。味方につければ最強級となり、敵にすれば最恐級となる。一度、レッテルを貼られてしまえば、民主党の様に信頼回復におびただしい時間を要するコトになるだろう。凝縮世代には、媚びたり気を遣ったりするのではなく、実力で勝負せよ。さもなくば、未来永劫、舐められる。


しかし、凝縮世代にも天敵が現れた。第五ゆとり世代。通称、『ゆとり完全体』。凝縮世代は、ゆとり教育の第四期にあたるコトから第四ゆとり。最後のゆとり教育(安倍総理がゆとり教育を止めた)を受けた『Y完全体』は、凝縮世代に政治力と実現力を兼ね備えた最終兵器級の破壊力をもつ。




<ゆとり完全体、目覚める>

 七月十日に「参院選二〇一六」があった。二十代や三十代よりも、新有権者の十八歳と十九歳の投票率が勝った。記事「投票率81.26%!18歳高校生が日本を変えた/長坂なおと」にて、現役高校生の投票率が八割を超えたという。


今回の選挙で18歳であったのは、1997年7月12日~98年7月11日生まれ。 このうち、高校生であるのは、4月2日から7月11日までの101日間に生まれた方たちです。つまり、1年365日のうちの101日間、つまり高校生は18歳全体の7分の2程度に過ぎません。(1998年は閏年でないので、365日でOK)


これを考慮して、「18歳高校生」の投票率を算出すると、どうなるか。 年度末までに生まれた、18歳学生らの投票率を、19歳投票率と同じ(39.66%)と仮定します。
( 18歳 “高校生” 投票率 x 101日/365日 ) + ( 18歳 “学生ら” 投票率(39.66%) x 264日/365日) = 18歳 “全体” 投票率(51.17%)

これを解くと、なんと

18歳 “高校生” 投票率 = 81.26% !!!!!!!!



総務省が統計データを出してないので、あくまでも参考数値だが、二十代・三十代より政治に対し関心があり、国のコトを考え、持論を彼らなりに持っている。それが『Y完全体』だ。凝縮世代と同じ様に、彼らにもジャッチメントの能力は備えている。現在、凝縮世代の最たる者が、奥田愛基。彼の存在は『Y完全体』の世代を変えた。若手きっての圧倒的な投票率となった。




凝縮世代も含めて、大人は実力主義へ

 それが続くか否かは、彼ら次第。万一、続いた場合は、上の世代はもとより凝縮世代も政治観を問われる。事実、ハイムに十八歳と十九歳のユーザはいる。彼らは難儀な政治報道の記事を読んでいる。近い未来、政治観が語れない大人は、「イタい」と見做され、更なる格下審査が行われるであろう。


チャンスはある。彼らはまだ政治を勉強中で、参院選の政策比較までしか行っていない。国政やそれ以外の選挙の違いをまだ分かっていない。立法に閣法や集法・産法の違いを分かっていない。投票数なら山田太郎が比例区で一番数字を獲ったのに落選し、山田未満が当選するシステムを分かっていない。勉強し、政治に参加するチャンスは残っている。さもなくば、凝縮世代以上に『Y完全体』の世代に未来永劫舐められるだろう。


但し、注意が必要だ。政治の教育は中学三年生、十四歳や十五歳から既に始まっており、彼らは、政治・選挙にかなり前向きである。大人よ、実力で勝て。

(了)

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