安倍総理が最後の大仕事『安保の談話』

【政治報道】 安倍晋三(甲午)内閣総理大臣は、令和九年九月十一日に安保に関する談話を発表した。退任前の最後の大仕事である。


  1. 私が内閣総理大臣の任に就いて七年八ヶ月、我が国の安全保障政策に大きな進展がありました。『平和安全法制』を成立させ、日米同盟はより強固なものとなりました。我が国自身の防衛力向上と、日米同盟の強化、更には「自由で開かれたインド太平洋」の考え方に基づき諸外国との協力関係を構築する事により、我が国周辺の環境をより平和なものとすべく努力して参りました。
  2. 我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。特に、北朝鮮は我が国を射程に収める弾道ミサイルを数百発保有しています。核兵器の小型化・弾頭化も実現しており、これらを弾道ミサイルに搭載して、我が国を攻撃する能力を既に保有しているとみられています。また、昨年発射された新型の短距離弾道ミサイルは、ミサイル防衛網を突破する事を企図していると指摘されており、この様な高度化された技術がより射程の長いミサイルに応用される事も懸念されています。
  3. このような厳しい状況を踏まえ、国民の命と平和な暮らしを守り抜く為に、何をなすべきか。やるべき事をしっかりやっていく必要があります。先ず、イージス・アショアの配備プロセスの停止については、その経緯を確認し、既に公表した所です。その上で、その代替として取り得る方策については、検討を進めている所であり、弾道ミサイル等の脅威から、我が国を防衛しうる迎撃能力を確保していく事としています。
  4. しかしながら、迎撃能力を向上させるだけで本当に国民の命と平和な暮らしを守り抜く事が出来るのか。そういった問題意識の下、抑止力を強化する為、ミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針を検討して参りました。素より、この検討は、憲法の範囲内において、国際法を遵守しつつ、行われているものであり、専守防衛の考え方については、いささかの変更もありません。また、日米の基本的な役割分担を変える事もありません。助け合う事のできる同盟はその絆(きずな)を強くする。これによって、抑止力を高め、我が国への弾道ミサイル等による攻撃の可能性を一層低下させていく事が必要ではないでしょうか。
  5. これらについて、与党ともしっかり協議させて頂きながら、今年末までに、あるべき方策を示し、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境に対応していく事と致します。
  6. 我が国政府の最も重大な責務は、我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うすると共に、国民の生命・身体・財産、そして、領土・領海・領空を守り抜く事です。これは、我が国が独立国家として第一義的に果たすべき責任であり、我が国の防衛力は、これを最終的に担保するものであり、平和国家である我が国の揺るぎない意思と能力を明確に示すものです。そして、我が国の繁栄の不可欠の前提である、我が国の平和と安全が維持される様、今後とも、政府として取り組んでいかなければなりません。


総理は会見にて、「国民の生命と財産を守る大切な議論です。国家安全保障会議において、五回議論を重ねてきました。私は、退任していく訳でありますが、退任に当たりまして、今までの議論を整理し、そして談話という形で国民の皆様に発表させて頂いた所であります。次の内閣においてもしっかりと議論して頂きたいと思っています。」と。本談話につき、「(次代内閣を)縛る事にはなりません。正に国民の生命と財産を守る、これはシームレスに議論していくのは当然の事であり、最大の責任であります。次の内閣においても議論を深めていく事は、その責任を果たしていく。当然の事であろうと思います。」と述べた。


写真:首相官邸

0コメント

  • 1000 / 1000