どの様な過程で新内閣は発足するのか(組閣の手順)

【政治】 令和二年九月十六日に菅内閣が誕生した。内閣の首班である総理大臣は、九十九代目。内閣は如何様に成立するのか。若きエリートとして知っておく知識だ。

以下は総理官邸より。改行はハイム。


内閣の組織

 憲法は“内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する”(第六十六条第一項)と定めている。内閣は合議制の行政機関であり、その運営を主宰するのは内閣総理大臣である。


内閣を構成する内閣総理大臣以外の国務大臣の定数は、内閣法により、現在、十四人(復興庁及び東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部が置かれている間は十六人)以内とされている。


但し、特別に必要がある場合においては、三人を限度にその数を増加し、十七人(復興庁及び東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部が置かれている間は十九人)以内とする事ができる。


内閣の成立

(1)内閣総理大臣の指名から新内閣発足まで

内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名される。指名は単記記名投票で行われ、投票の過半数を得た者が指名された者となる。尚、一回の投票で過半数を得た者がいない時は、上位二人の決選投票を行い、多数を得た者が指名された者となる。


また、衆議院と参議院とが異なった指名の議決をした場合に、両議院の協議会を開き、そこにおいても意見が一致しない時、又は衆議院が指名の議決をした後十日以内(国会休会中の期間を除く。)に参議院が指名の議決をしない時は、衆議院の議決が国会の議決となる。


国会の議決により、内閣総理大臣の指名を受けた者は、直ちに総理官邸において、国務大臣の選考(これを「組閣」という。)を行う。国務大臣の選考が完了すると、宮中において内閣総理大臣を任命する親任式が行われ、引き続き、国務大臣任命の認証式が行われる。


宮中において、内閣総理大臣任命の親任式及び国務大臣任命の認証式を終えた後、総理官邸において、内閣総理大臣から、各省大臣、各庁長官等の辞令(これを「補職辞令」という。)が交付される。辞令交付後、直ちに初閣議を開催し、内閣発足に際しての内閣総理大臣談話、閣議陪席者の人事の決定や国務大臣の兼職禁止等についての申合せ等を行っている。


(2)内閣改造

 内閣改造とは、人事刷新を図る等の為に、内閣総理大臣は代わる事なく、他の国務大臣の全部又は一部が代わる事を言い、内閣総理大臣の国務大臣任免権により行われる。この為改造に先立ち、閣議において国務大臣の辞表の提出(一般に「辞表の取りまとめ」といわれる。)を求める事としている。


この改造による新国務大臣の任命についても国務大臣の選考の方法、その後の認証式等の一連の流れは、組閣の際の流れと同様である。


以下からは内閣総理大臣について。


(1)基本的地位

内閣総理大臣は、「内閣の首長」として、内閣を代表する地位にあると同時に、内閣全体の統一性及び一体性を確保する役割を有している。内閣総理大臣は、衆議院の解散や衆議院議員の任期満了により国会議員の地位を失っても、次の内閣総理大臣が任命されるまでの間は、その地位を失う事はない(憲法第七十一条)。


(2)権限

 合議体である内閣が、行政権の担当者として統一ある行動を執り、国会に対して連帯責任を果たす為には、内閣総理大臣に強固な統率力が必要とされる。その内閣総理大臣が内閣の外に向かって、内閣を代表して行動する必要がある事から、内閣総理大臣には、憲法上、国務大臣の任免権の他、内閣を代表して議案を国会に提出する事、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する事等の権限が、また、内閣法上、閣議の主宰権の他、主任の大臣の間で権限の疑義がある場合は、閣議にかけてこれを裁定する事等、様々な権限が認められている。


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