経産省の三年度『一般会計予算 概算要求の概要』、計一兆円で中小分は〇.一兆円

【経済報道】 経産省(大臣:梶山弘志)は、令和二年九月三十日に三年度『一般会計予算 概算要求の概要』を公表した。同省の関連合計額は一.四兆円。前年度比で一割程度の増。「中小企業対策費」は〇.一兆円で三割の増。


国内の全企業の内、中小・零細の割合は九十九㌫。雇用では七割を占めている。その中小・零細への直接の対策費は〇.一兆円と非常に心許ない。三年度の国家予算は百五兆円を見込んでいる。



重点取組みは以下の四点。

  1. デジタル〜仕組みと事業のアップデート〜;デジタル基盤・ルールの整備、デジタルを活⽤した産業の転換
  2. グリーン〜コロナを機に脱炭素化を深化〜;脱炭素化に向けたエネルギー転換、循環経済への転換
  3. 健康・医療〜健康な暮らしの確保〜;国⺠の命を守る物資の確保、予防・健康づくりの実現
  4. レジリエンス〜安⼼して⽣活できる環境の構築〜;サプライチェーン強靱化・サプライネットの構築、経済・安全保障を⼀体として捉えた政策の推進



<公衆衛生と技術関連を推す>

 三の「国⺠の命を守る物資の確保(二百三十五億円)」で、⼈⼯呼吸器等の⾼度医療機器や先進的な介護福祉⽤具を異業種を含め、国内で開発できる体制の構築や中⼩が有するものづくり技術を活⽤した医療機器開発・事業化⽀援等を通じた医療機器産業の強靱化を図る。若⼿研究者も⽀援する。


四の「経済・安全保障を⼀体として捉えた政策の推進(三千百五十八億円)」で、国内外の重要技術の動向調査や中⼩企業・⼤学等の技術管理体制の構築を⽀援する。



中小DXを強く推し進める意向

 また別途、分野横断的課題への対応として「中⼩企業の新陳代謝 (五百十七億円)」を計上。四割弱も増した。中⼩・零細によるAI・IoT等を活⽤した産学官連携のものづくりを⽀える技術の研究開発や新サービスモデル開発等を⽀援。「ものづくり補助⾦」「⾃治体型持続化補助⾦」「IT連携⽀援事業」により中⼩の⽣産性の向上を促進させたい。中⼩の経営資源引継ぎ(事業承継、M&A等)につき、事業承継診断や譲渡・譲受事業者間の橋渡し等を⾏う⼀元的な⽀援体制を整備する。


同時に、専⾨家活⽤や引継ぎ後の設備投資等を⽀援する。併せて、中⼩の円滑な事業再⽣や経営者の再チャレンジに向けた⽀援を実施したい。


他にもコロナ禍の中⼩が早期に経営を安定化させて再起を図れる様に「よろず⽀援拠点」や商⼯会等による経営相談を実施。展⽰会等のイベント産業の⾼度化を含めた新ビジネス モデルも構築したい。



若手向け予算

 こちらも分野横断的課題への対応だが、「イノベーション・エコシステムの創出(四百八十九億円+産総研交付⾦の六百三十八億円の内数)」は若手支援と取れる。J-Startup企業の国内外展開⽀援、SBIR制度や事業会社との連携促進等を通じたR&D型スタートアップを育成する。併せて、出向起業等による新規事業の創造を促進したい。


具体的には、以下の六点等がある。新規以外は全て予算増。

  1. R&D型スタートアップ⽀援事業(五十二.七億円)
  2. グローバル・スタートアップ・エコシステム強化事業(十七.五億円)
  3. スタートアップ向け経営⼈材⽀援事業(五.五億円、新規)
  4. ⼤企業等⼈材による新規事業 創造促進事業(十二.一億円、新規)
  5. 官⺠による若⼿研究者 発掘⽀援事業(十七.九億円)
  6. エネルギ・環境分野の官⺠による若⼿研究者 発掘⽀援事業(九.〇億円)



更に、対外経済政策では「海外展開⽀援強化(七十億円+JETRO交付⾦の二百七十億円の内数)」として、新デジタル ビジネスを牽引する現地企業と⽇本企業の連携・協業を促進し、ADXを推進。急拡⼤する世界のEC市場への参⼊⽀援やオンライン商談⽀援等による海外市場獲得の後押し。そして、中堅・中⼩に対する海外展開計画の策定から市場開拓までを⼀貫⽀援したい。

ADXはアジアDX。新興国企業との連携による新事業創出する。


税制は後日。


写真:FPhime

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