【政治ニュース】 平成二十八年七月二十六日に共同通信社(社長:福山正喜)は、記事「自民、参院会長に橋本聖子氏(画像引用)」を、前日に記事「民進、参院会長に小川氏」を配信した。橋下聖子参院会長は、元スピードスケートと自転車競技の五輪選手。小川敏夫参院会長は、元法務大臣(野田内閣時)で元裁判官・検察官の弁護士。両名とも無投票で決まった。橋下参院会長は初の女性会長で任期三年、小川参院会長は任期二年。
参院会長(参議院議員会長)は、その党の参院における国会活動を審議・決定・執行する組織「参議院議員団」の長。同議員団は、政策部会や国会対策委員会を機関として有す事がある。参院の自民党は百二十二人、民進が四十九人(報道現在)。スポーツ立国調査会長の橋下参院会長は、党内最大派閥の「清和政策研究会(細田博之派)」。小川参院会長は、「国のかたち研究会(管直人グループ)」。
=解説=
各党の両院各々を取りまとめる議員団の長が、会長。事実上、派閥・グループの領袖(トップ)の影響を両院会長は多分に受ける。つまり、両院会長の派閥・グループの領袖が誰かにより、任期中の両院での政党(会派)の動き方が、一つ見えてくる。今回は参院。橋下参院会長は細田派に属す。前は、溝手顕正 参議で岸田派であった。安倍総理は細田派(総理に就くと派閥を離れる)。立法府の長の一人、山崎正昭 参院議長も細田派。参院自民は、かなり細田派に寄ったと視るべきであろう。
一方の民進。小川参院会長は、管G。新民主時代、参院会長は横路孝弘Gが輩出していた。新民主から数えて、菅Gからは二回目の輩出となった。実質的な管Gの運営者は、江田五月 最高顧問とされており、枝野幸男 幹事長も属す。短絡的ではあるが、次の国会・参院から「橋下(細田派)対小川(管G)」の基本的構図となる。
参院は別名「良識の府」と呼ばれ、衆議より任期が安定する参議(六年間)が、党派・会派を超えて中長期的な議論展開を期待されている。短期的な議論は衆院が得意だ。故に、しっかりと腰を据えた重みある参院会長の国会活動の采配に注目されたい。特に先の参院選で「国会の鬼検事」として当選した小川参院会長の不正追及には、投票者の耳目を集めるだろう。
秋の臨時国会は、九月下旬に召集の予定。
撮影:岡本早百合
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