令和版『日本型学校教育』、コロナ禍でも一割増のみの文科省予算

【教育報道】 令和二年十月十六日に第百二十五回『中央教育審議会/文科省』が開催された。議題は「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して(中間まとめ)について」「生涯学習分科会における議論の整理について」「教育再生実行会議における検討状況について」の三点。

三年度概算要求のポイントも配布した。


新学習指導要領の着実な実施とコロナ期のICT活用が二重で教育界に求められている。学校の役割 は「学習機会と学力の保障」「全人的な発達・成長の保障」「身体的、精神的な健康の保障(安全・安心に繋がる事ができる居場所・セーフティネット)」の三点とした。


以下等を課題として認識している。

  1. 本来であれば家庭や地域で為すべき事までが学校に委ねられる事になり、結果として学校及び教師が担うべき業務の範囲が拡大され、その負担が増大
  2. 生徒の学習意欲の低下
  3. 教師の長時間勤務による疲弊や教員採用倍率の低下、教師不足の深刻化
  4. 学習場面におけるデジタルデバイスの使用が低調である等、加速度的に進展する情報化への対応の遅れ


「令和の日本型学校教育」の姿は、協働的な学びと個別最適な学び(個に応じた指導・指導の個別化と学習の個性化を学習者側の視点から整理した概念)の往還。


幼児教育の家庭・地域における幼児教育の支援として「保護者等に対する学習機会・情報の提供 • 保護者等に対する相談体制の整備等、地域における家庭教育支援の充実」や義務教育の小学校高学年からの教科担任制の導入(四年度を目途)、高校教育のSTEAM教育(科学・技術・工学・数学・リベラルアーツないし芸術)等の教科等横断的な学習の推進による資質・能力の育成等の各論を挙げた。


概算要求では、全体として五.九兆円。前年度より一割増した。内、学校・教育関係に二千八百一億円を計上。以下は、全てコロナ対応関係。


  • 令和時代の学校スタンダードの実現;少人数指導体制、GIGAスクールサポータ、学習者用デジタル教科書、オンライン学習システム、通信環境整備、学校施設整備等
  • デジタルを活用した高等教育の高度
  • 補習・感染症対応等の為の学習指導員、スクール・サポート・ スタッフ等の活用
  • いじめ・不登校、虐待等に対応した教育相談体制等の充実
  • 経済的困難に直面する高校生や大学生等への学びのセーフティネット構築
  • 新しい生活様式に対応した体験機会の充実
  • 空調設置など学校施設等の衛生環境改善



OECD(経済協力開発機構)の調べでは、日本の初等から高等教育への公的支出(教育投資)は世界で常に最下位近辺。シニアや母親世代が政府の支出増を嫌がる為だ。よって未曽有のコロナ禍にも関わらず、前年度比で一割増しか、子ども達の為にお金を使えない。

不足分は、現場の教諭と家庭、そして子ども達が肉体的・精神的に負担する。


 参考までにコロナ禍の主要省は厚労省。未成年の死亡者はゼロで、主に死亡者が殆どのシニア向けの予算と云える。元年度から二年九月までに九.五兆円を計上(コロナ関連費)した。三年度は原則、事項要求(都度要求)とした。

今回の学校・教育関係/文科省は二千八百一億円


シニアが常に優先で、子どもは常に劣後の日本である。


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